買いどき?指数はメキシコペソの上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。
高金利通貨であるメキシコペソについて、中長期にわたり買いポジションを保有する視点で、現在を分析します。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
メキシコペソ/円 上昇・下落のパワーバランス
メキシコペソ/円をトレードするうえで重要となる経済指標やイベントを個別に点検します。
1月の失業率は3.00%に悪化(12月は2.76%)。前月からは反発したものの、2005年に現在の方法で統計を開始して以降の低水準をキープ。ただし、労働環境は厳しく、最低賃金(もしくはそれ以下)での労働者数は増加している。
メキシコ中銀は2月9日に0.50%の利上げを実施。市場は0.25%利上げを予想していただけにサプライズとなった。0.50%利上げは2会合連続。2021年6月以降14会合連続で合計7.00%の利上げを実施し政策金利は現在11.00%となった。次回の金融政策会合は3月30日。
2月9日に発表されたメキシコ1月消費者物価指数(CPI)は前年比+7.91%となり、前月(+7.82%)からインフレは加速した。メキシコ中銀はインフレ見通しを上方修正している。2月分は3月9日発表。
最大の貿易相手国である米国の景気は堅調。その他、中国経済がV字回復を見せているなど、好材料が多い。
パワーバランス まとめ
メキシコ中銀は政策金利を11.00%まで利上げした。1月のCPIは7.91%とインフレは高止まりしている。失業率は低水準にあるが、労働条件等を加味すると先進国のそれと同等には捉えられない。世界経済が従来の予想ほど減速しなさそうだとの思惑の変化がポジティブ要因。
メキシコペソ/円、いまが買いどき?
国内の高インフレからメキシコ中銀は利上げサイクルを継続。上伸するインフレ率を背景に政策金利は11.00%まで上昇し、南アやトルコよりも金利は高い。経済の安定性を加味すると高金利通貨の中ではメキシコペソは一つ頭が抜けている。失業率は過去最低を記録しているが、労働環境は改善されていないため、低賃金での労働者が増加していることが懸念材料。この辺りは先進国と違い失業率の数値を鵜呑みにできない。中国の景気回復期待が高まっていることや、世界の主要国の景気減速が予想されていたほど深化しないとの思惑が資源国通貨であるメキシコペソの支えとなっている。一方で、欧米のインフレ鈍化のペースが減速していることは懸念材料となる。
買いどき?指数はメキシコペソの上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。