本記事は、桐生稔氏の著書『説明の一流、二流、三流』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。
メールで説明する
三流は、長いメールを送り、二流は、短くまとめたメールを送り、一流は、どんなメールを送る?
メールを送るとき、何か工夫していることはありますか?
結論から書く、ポイントを整理する、短くまとめる。どれも大事なことですね。
ただ、それだけでは足りません。なんせ、メールは1日に50件、100件、平気で飛んでくるわけです。メールをチェックするだけで、かなりの労力がかかります。
メールを受け取る人はできるだけ負荷を減らしたいと思っているはず。そのため、メール送信者には、こんなことを期待しています。
1つ目。「何をして欲しいか具体的に記載して欲しい」。
いろいろ書いてあるが、結局何をしたらいいのかわからない。整理されているわりには、「で、どうしたらいいの?」と感じるメール。これらは非常に困ります。
だから必ず、冒頭(件名)に「何をして欲しいのか」明記する必要があります。
【○○のお願い】【○○の確認】【○○の相談】→して欲しいことを明確にするケース
【○○のお知らせ】【○○の連絡】【○○の共有】→読めばいいだけのケース
2つ目。「簡単に返信できる内容にして欲しい」。
例えば、「どう思いますか?」「何か考えはありますか?」。こういったザックリとした質問は、イチから考えないといけないため、相手の脳ミソにダメージを与えます。
深く考えなくてもいいメールはこうです。
『3案あります。コレ、コレ、コレです。1案で進めたいのですが、よろしいでしょうか?』
こう書けばYES・NOで答えられます。NOだとしても、ある程度たたき台があるため、理由が答えやすいです。
『今回は〇〇で進めていこうと思っています。気になる点があればご指摘ください』
と書けば、『ない』なのか、『ここが気になる』なのか、何かしら返答ができます。〇〇という具体的な材料があるからこそ、具体的に答えやすいのです。
3つ目。「1回で済むようにして欲しい」。
何度もやりとりさせるメールは、負荷が増大します。
「〇〇商事様に見積を提出しました。返事待ちとなります」
「いつまでに返事もらえそう?」
「1週間くらいでとおっしゃってました」
「感触はどう?」
「悪くないと思います」
「悪くないというと?」
こうして何度もラリーが続くメール……。本来は相手が知りたいことを先に伝える必要があります。
今はチャット、LINE、メッセンジャーなど、いろいろな伝達方法があります。気軽に送れるからといって、相手の負荷を考えない文章を送ると、相手の時間を強奪することになります。マッキンゼーの分析によると、ビジネスパーソンは平均して就業時間の28%もメールに費やしているそうです。「相手に負荷を与えない考え抜かれたメール」を送れば、相手の時間を作り出すことにもつながります。
Road to Executive
一流は、相手の負荷を減らすメール送る
- 具体的に、簡単に、1回で終わるメールを送付する
- 三流は、あいまいに説明し、二流は、詳しく長く説明し、一流は、どうする?
- 三流は、口頭で説明し、二流は、分厚い資料で説明し、一流は、 どうする?
- 三流は、何の根拠もなく語り、二流は、事実を並べて語り、一流は、どう語る?
- 三流は、話がバラバラになり、二流は、なんとなくまとめようとし、一流は、どうまとめる?
- 三流は、黙ってしまい、二流は、相手に合わせて妥協し、一流は、どうする?
- 三流は、いきなり頭が真っ白になり、二流は、いきなり説明しはじめ、一流は、いきなり何をする?
- 三流は、説明することで精一杯で、二流は、聞き手の耳に届け、一流は、聞き手のどこに届ける?
- 三流は、口頭だけで説明し、二流は、資料だけで説明し、一流は、どうする?
- 三流は、長いメールを送り、二流は、短くまとめたメールを送り、一流は、どんなメールを送る?