本記事は、桐生稔氏の著書『説明の一流、二流、三流』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

プレゼンテーション
(画像=oyfotoliakid/stock.adobe.com)

画面の使い方
三流は、口頭だけで説明し、二流は、資料だけで説明し、一流は、どうする?

リモートにもメリットがたくさんあります。「いつでもつながれる」「いろんな人と話せる」「移動の必要がない」、さまざまありますが、中でも、「瞬間的に資料が共有できる」、これは説明において画期的な進化です。

対面でも資料を配ればすぐに共有できる、そう思われたかもしれません。でも違うんです。最大の違いは「聞き手の目線」です。

対面では、資料を配った瞬間、ほとんどの人が下を向いて資料を見はじめます。話そっちのけで資料をパラパラめくる人も。

しかし、リモートの場合、モニターに資料を映した瞬間、目線は画面にあります。つまり、資料にも、話し手にも、目線が向いているということです。

これを使わない手はありません。

資料だけで説明するのは非常にもったいないことです。

「資料+表情+しぐさ」をフル活用して伝えるべきです。

学校の授業で、黒板に書かれた文字をずっと見ていて、眠くなった経験はありませんか? 面白い授業は、そこに先生の表情があり、動きがあります。黒板だけじゃなく、教卓の前で先生が大立ち回りをするからたいくつしないのです。

説明の一流、二流、三流
(画像=説明の一流、二流、三流)

「資料だけで伝える」vs「資料+表情+しぐさ」で伝えるでは、軍配は確実に後者にあがります。このリモートの利便を最大限活かすには、画面を100%使い切る。これに尽きます。

聞き手が資料に集中しているときは、資料をメインに説明する時間。
聞き手が概ね理解したときは、表情やしぐさをメインにして説明する時間。
聞き手にインパクトを残したいときは、一旦資料を映すのをやめて、あえて表情やしぐさだけで説明する時間。

そしてまた資料を映す。こうやって画面に変化を起こすこと。

当社でも、セミナーや研修をする際は、次の3つを行き来させます。

  • 資料メインで説明する
  • 表情やしぐさをメインにする
  • あえて表情やしぐさだけで伝える

コロナ以後、全国の講師が集まり、何度もオンラインの練習を行いました。その結果、まるでテレビを見ているかのように、画面がどんどん切り替わるすべを身につけました。

スティーブ・ジョブズが、新商品のプレゼンで、ステージをフル活用し、スライド、表情、動き、すべて駆使して説明したのと一緒です。やはり、一本調子では飽きられます。リモートは、画面を100%使用し、変化を生み出す必要があるのです。

一流は使えるものはすべて使います。そのほうが聞き手に伝わるからです。フル活用して、全力で伝えようとする。その熱のこもった説明はきっと聞き手の心を捉えます。

Road to Executive

一流は、画面を100%使って説明する

  • 画面の中に変化を起こす
説明の一流、二流、三流
桐生稔
株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役・メンタル心理カウンセラー 人材派遣会社の営業をボイストレーニングスクールの職員を経験後、コミュニケーションスクールを立ち上げる。現在は全国20ヶ所で、伝わる話し方、好かれる話し方、あがり症改善、人前でのスピーチトレーニングなどを実施。年間1,500回のセミナーを開催し、受講者数は20,000人を越える。

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