本記事は、桐生稔氏の著書『説明の一流、二流、三流』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

資料,説明
(画像=beeboys/stock.adobe.com)

イメージできない人に
三流は、あいまいに説明し、二流は、詳しく長く説明し、一流は、どうやって説明する?

「仮想通貨って何ですか?」

こう聞かれたらドキッとしますよね。名前は聞くけど、説明しろと言われると難しい。

「仮想通貨とは、物品を購入し、又は役務の提供を受ける場合に、不特定の者と相互に交換を行うことができる財産的価値で、電子情報処理組織を用いて移転することができるものです」

なんて言われてもピンときません。

実は、一流には、相手がイメージできないときによく使う技があります。それが「対比」です。詳しく説明するのではなく、他のものと比べます。仮に法定通貨と比べてみましょう(※法定通貨とは、皆さんが毎日使っている紙幣、貨幣)

説明の一流、二流、三流
(画像=説明の一流、二流、三流)

もっといろいろ説明できるとは思いますが、イメージできない人にざっくり理解してもらうならこの程度で十分です。

もう少し簡単な例で。

「このサプリは食物繊維が20グラム取れます」

これだけ言われてもあまりピンときませんよね。なので、こう言ってみます。

「サツマイモ1本で5グラムの食物繊維が取れます。このサプリは1回で20グラム取れます」

サツマイモとの対比です。

子供に注意するとき、「ご飯は残さず食べなさいよ!」

なんて言ってもあまり響きません。そこでこう言います。

「世界には10人に1人、ご飯が食べられなくて、栄養が足りずに病気になる人がいるんだって。ご飯を食べられるって、本当に幸せなことだね」

世界と比べます。

商品を説明する場合、Before→Afterの対比も使えます。

「これまでのアプリケーションは10万人にアプローチするのが限界でした。しかし、今回開発したアプリケーションは100万人にアプローチできます」

「10万人→100万人」と、前後で対比することで、イメージできていない人にもすごさが伝わります。

相手がイメージできないとき、「もっと具体的に説明しなければ!」と思ったら、ちょっとストップ。他のものと比べてみてください。格段にイメージしやすくなります。人間はイメージできないと、ガンとして動きません。暗闇を歩くのと一緒で、わからないのは不安だからです。逆にイメージできれば動いてくれます。それを実現するのが対比なのです。

Road to Executive

一流は、「対比」で説明する

  • 比べることでイメージを明確にする
説明の一流、二流、三流
桐生稔
株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役・メンタル心理カウンセラー 人材派遣会社の営業をボイストレーニングスクールの職員を経験後、コミュニケーションスクールを立ち上げる。現在は全国20ヶ所で、伝わる話し方、好かれる話し方、あがり症改善、人前でのスピーチトレーニングなどを実施。年間1,500回のセミナーを開催し、受講者数は20,000人を越える。

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