この記事は2023年3月29日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=beeboys/stock.adobe.com)

2023年3月29日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

欧米市場では、引き続き多くの不安定な要素が指摘されている。例えば、ドイツ銀行のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)。

ドイツ銀行のCDSに絡む一つの取引に当局が注目している。先週末24日(金)の世界的な市場混乱をあおった疑いがあるという。関係者によると、ドイツ銀の劣後債に関わるCDSで、およそ500万ユーロ(約7億1000万円)の取引があった。取引は流動性に乏しく、単一の取引が大きな動きを引き起こすこともある。これがドミノ効果を引き起こして銀行株を急落させ、国債は上昇、金融機関が発行した社債のデフォルトに備える保証料は跳ね上がった。ドイツ銀では約16億ユーロ、欧州銀行株指数では300億ユーロ余りの時価総額がそれぞれ失われた。

(出所:ブルームバーグ)

米国株も主要3指数そろって下落している。

現在の為替相場の戦略やスタンス

本日29日(水)は本邦の期末が近くなっており、実需がらみのドル買いが朝から断続的にマーケットに投入され、米ドル/円は一時131.64円まで反発している。年度末が近くなり、ファンダメンタルや、テクニカルとは関係なく、実需のフローで乱高下し始めている。

マーケット関係者によれば、年度末に向けて、今回は、ドル買いが目立ち、あまりリパトリエーション(ドル売り)がでないのが不思議とコメント。ドル2年債利回りの上値は限定的だと想定しているため、米ドル/円の戻り売りスタンス継続。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。