不動産クラウドファンディングが注目を集めています。小口で投資ができて不動産投資と同様のメリットが得られるとあって投資家からの人気も高く、それを受けて取り扱い業者も増えています。
ただし、これから不動産クラウドファンディングへの投資を検討している場合は、預託金の有無を知っておくことが大切です。業者によって預託金を預かるための口座が用意されているところと、そうではないところがあります。
そこで、預託金口座の有無による違いや、預託金口座のメリット・デメリットについて解説します。
目次
不動産クラウドファンディングの預託金とは
不動産クラウドファンディングの預託金とは、クラウドファンディングの案件に応募するための預かり金のことです。ただ、ほとんどの不動産クラウドファンディング運営業者にはその概念はないため、預託金を預けることなく直接募集中の案件に出資することが可能です。
それに対して預託金の仕組みがある業者の場合は、業者が用意している預託金口座に資金を預けておき、案件に応募する際には預託金口座にある資金を使います。
なお、預託金口座は銀行などの金融機関の口座と違って、資金を一時的に保管するためのものです。したがって預託金口座にある資金に利息はつきません。
預託金口座の有無で投資手順が異なる
預託金口座の有無で、不動産クラウドファンディングへの投資手順が異なります。端的に表現すると案件への出資が「1段階」なのか「2段階」なのかの違いです。
預託金口座がある場合
預託金口座がある場合、投資家はその口座に不動産クラウドファンディングに出資をするための資金をあらかじめ置いておきます。お目当ての案件がなければ資金は預託金口座に置いたままになります。
逆に、出資したい案件を見つけたら預託金口座の資金を用いて出資します。
預託金口座がない場合
預託金口座がない場合は、出資をしたい案件への申込時に入金をする形になります。
不動産クラウドファンディングは人気が高まっており、案件によっては応募者の全員が出資できるとは限らず、抽選になることがあります。抽選になった場合は申し込み期限終了時に抽選が行われ、当選した人だけに入金先の案内が届きます。当選者は案内を受けた入金先に送金して、そこで初めて出資が確定します。
預託金口座のメリット
預託金口座がある業者で不動産クラウドファンディング投資をすることで、次のメリットを得られます。
投資コストを削減できる
案件ごとに応募する形の不動産クラウドファンディングでは、出資金を送金する先の口座に振り込みをする必要があります。振込手数料は投資家の負担なので、不動産クラウドファンディングへの投資回数が増えるごとにコストも増大します。
預託金口座がある場合、その口座から資金を不動産クラウドファンディングへ移動しても手数料はかかりません。逆に案件が満期を迎えた際にも元本と分配金は預託金口座に支払われるため、再投資も容易です。
短期間の案件に何度も応募する場合はそのたびに振込手数料が発生するので、預託金口座があるとコスト面で有利です。
人気の案件に投資できる可能性が高くなる
不動産クラウドファンディングでは人気案件に応募が殺到する傾向があり、すぐに予定金額に達してしまいます。先着順の案件も多いので、その場合はスピード勝負です。
案件ごとに入金する形だと業者によって入金先の口座やルールが異なるため、どうしても初動が遅くなってしまいます。預託金口座があるとそこからの資金移動は簡単かつスピーディーなので、すぐに募集終了となってしまうような人気案件にも投資できる可能性が高くなります。
預託金口座のデメリット
一方で、預託金口座がある業者での不動産クラウドファンディング投資には、次のようなデメリットもあります。
手元資金が減る
預託金口座に資金を預け入れることで手元資金が減り、ほかの投資チャンスを逃してしまう恐れがあります。特に、資金にあまり余裕がない場合は、限られた資金を預託金口座にロックされてしまうことで、身動きが取れなくなってしまう可能性もあるでしょう。
また、一極集中で投資することにもなり、資産運用の原理原則である分散投資という観点からみても、望ましい状態とはいえません。
不動産クラウドファンディングに限らず、投資を行う際は手元にある程度資金を残しておくことが基本なので、安易に資金を預け入れてしまうことのないよう注意しましょう。
強制払い戻しとなる場合も
預託金口座がある不動産クラウドファンディング業者では、一般的に預託金の預かり期間が決められており、その期間内に業者が定める投資行動における判断基準をクリアできない場合は、預託金が強制的に払い戻しとなる場合があります。
例えば、マイページへのアクセスが一定期間ない、預託金口座への入金が一定期間ない、といった場合には、投資意思がないものと見なされ、全額払い戻しとなるケースもあります。
強制払い戻しにならないためには、該当の不動産クラウドファンディング業者で一定以上の投資活動を行う必要がある点に注意が必要です。また、強制払い戻しとなった場合は、払い戻し手数料が発生する場合もあります。
預託金口座がある不動産クラウドファンディング業者2選
全体的に見ると預託金口座を設けている不動産クラウドファンディング業者はまだ少ない傾向ですが、ここではその中から主要な業者を紹介します。
creal(クリアル)
最低投資金額が1万円なので、1万円から本格的な不動産投資に参加できます。2022年9月時点で元本割れはゼロなので、安定感、安心感の面でも投資価値の高い不動産クラウドファンディングです。
property+(プロパティプラス)
人気シリーズのデザイナーズマンションに投資ができる不動産クラウドファンディングです。主要都市の駅から徒歩10分以内の好立地物件に特化し、高い稼働率を実現しています。
預託金口座がない不動産クラウドファンディング業者2選
続いて、預託金口座がない不動産クラウドファンディング業者を紹介します。
MYファンドクラウドファンディング
中古不動産を中心に取り扱う不動産クラウドファンディングです。投資対象に選定された不動産には、それぞれに最適なリノベーションが施され、資産価値が高められます。その結果、投資家側も高い売却益の分配が期待できます。
ONIGIRI Funding
運営会社の拠点がある神奈川県の不動産を多く取り扱っており、1口1万円から出資可能です。予定運用期間が1825日に設定されているような案件もあるため、長期運用したい人にもおすすめです。
まとめ
高い利回りや安定性からますます注目が集まっている不動産クラウドファンディングにおける、預託金口座の基本や預託金口座がない場合との違いについて解説しました。
本文でも解説しているように、預託金口座がある不動産クラウドファンディングは投資コストを削減できるなどのメリットがある一方、手元資金が減るなどのデメリットもあるため、慎重に検討することが大切です。
(提供:YANUSY)
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