不動産投資では物件をどのエリアから選択するかが大きな課題になります。そこで物件選びの強い味方になるのが、テーマごとに発表される「〇〇の街ランキング」などの不動産ランキングです。どのような視点でランキングを見ればよいのか、物件選びに活かす方法を紹介します。

初めての物件購入はエリアの選択が難しい

物件選びの強い味方!〇〇の街ランキング活用法
(画像=Route16/stock.adobe.com)

土地を持っている人が所有地にマンションを建てる場合は別として、一般的な不動産投資では物件を購入するエリアを選ばなければなりません。マンション投資はサラリーマンが老後の資産作りのために副業で行いたい場合と、少しずつ物件を増やして将来的には本業にすることを考える場合では取り組み方が異なります。

副業として1戸だけ所有すればよいというのであれば、管理の関係から自宅に近いエリアで探したいという人が多いでしょう。

しかし、将来マンション経営を本業として行う計画の場合は、いろいろなエリアに分散投資する必要があります。同じエリアにばかり物件があると、大きな工場や大学の移転など周辺環境が激変すると需要が減るリスクがあるからです。加えて災害リスクも考慮する必要があります。

そこで最初の物件選びが重要になってきます。2つめの物件に広げていくためには最初のマンション経営を軌道に乗せなければなりません。

物件選びで確固たる方針がない場合は、各種の不動産ランキングに挙がっているエリアから選ぶのもよいでしょう。以降では、首都圏のランキングに絞ってテーマ別に選び方のポイントを紹介します。

人気で選ぶなら「住みたい街ランキング」

不動産ランキングで最もよく知られているのが「住みたい街ランキング」です。ネットだけでなく、テレビのバラエティ番組でも取り上げられることがあるので、見たことがある人も多いでしょう。とにかくトレンドに乗った人気の街でマンション経営を行いたいという人に参考になるランキングです。不動産ポータルサイトのSUUMOやLIFULL HOMES’などが毎年発表しています。

SUUMOが発表した「首都圏住みたい街ランキング2023」の上位5位までには横浜、吉祥寺、大宮、恵比寿、新宿が入っています。これらの街は毎年上位に挙がるランキング常連といえるエリアです。そのような人気の街は物件価格も高いのが一般的ですが、その分家賃も高く設定できるので、購入資金に余裕があるなら検討するのもよいでしょう。

ただし、「住みたい街ランキング」で選ばれた街は住みたいという憧れの部分が大きいため、まだ住んでいない人が実際にその街に転居する実需がどの程度あるかは不透明です。

穴場がわかる「住み続けたい街ランキング」

憧れではなく、実際に住んでいるユーザーの評価で選ばれるのが「住み続けたい街ランキング」です。こちらのランキングは住みたい街では上位に入らない、穴場的なエリアがわかることで参考になるランキングといえます。

SUUMOが発表した「住み続けたい街ランキング2022」で上位5位までにランクインしたのは湘南海岸公園、馬車道、日本大通り、鵠沼、東銀座となっています。もう1つ大東建託が発表した「住み続けたい街(駅)ランキング2022」では、みなとみらい、湘南深沢、印西牧の原、代官山、元町・中華街が上位にランクされています。全体的に神奈川県の街が多くランクインしているのが目立ちます。

家賃設定の参考になる「家賃が安い街ランキング」

家賃は入居者にとって大きな選択の要素です。物件価格が安いエリアのマンションを購入して、安い家賃で入居者を集めたいオーナーに参考になるのが「家賃が安い街ランキング」です。

SUUMOが発表した「家賃相場が安い駅ランキング2023」では、葛西臨海公園、一之江、新柴又、京成小岩、京成金町、江戸川が上位に入っています。このランキングに限らず家賃が安い街(区)のランキングでは、葛飾区、江戸川区、練馬区、足立区、板橋区が家賃の安いエリアとして常に上位にランクインしています。物件価格も安いことが予想されますので、少ない予算でマンション経営を始めたい人には適したエリアといえます。

ただし、価格の安さにつられて築古物件を購入すると、修繕費が多くかかり家賃収入の利益を減らしてしまう可能性があるので注意が必要です。

物価水準がわかる「物価が安い街ランキング」

2022年のウクライナ戦争勃発以降、悪い意味でトレンドになっているのが「物価高」です。このような時代には、物価が安い街に住みたいと考える人が増えても不思議ではありません。トレンドに乗るなら「物価が安い街ランキング」を参考にして物件を選ぶのも有効な方法です。

LIFULL HOMES’が発表した「生活費が安い街ランキング」では、赤羽、北千住、小岩、蒲田、十条が上位にランクインしました。

また、SUUMOが2020年に発表した「物価が安いと感じる街ランキング」における上位の顔ぶれは、十条、小台、東十条、梅島、八街となっています。東京都北区の十条と東十条は安い商店街があることで知られており、納得の結果といってよいでしょう。

物価が安い街は、住みたい街で選ばれたメジャーなエリアとはまったく異なる顔ぶれが並んでいます。物件価格も人気エリアに比べて安いと思われますので、コスパを考えると有力な選択肢の1つになりそうです。

再販売価値を知るなら「リセールバリューランキング」

物件を売却するときのために、中古でも高く売れるエリアを探すときの参考になるのが「リセールバリューランキング」です。新築マンションもいずれは中古になるので、そのときにどれくらいの資産価値を維持できるかは物件選びの重要なポイントです。

東京カンテイが発表した「首都圏駅別築10年中古マンションリセールバリュー2021」で上位にランクインしたのは、六本木一丁目、赤羽橋、御成門、片瀬江ノ島、浅草橋です。必ずしも都心5区(港区、中央区、千代田区、新宿区、渋谷区)が上位を占めているわけではないので、穴場的なエリアでもリセールバリューが高い物件を探すことは可能であることがわかります。

1位の六本木一丁目のリセールバリューは211.1%となっており、築10年経過しても新築価格の約2倍で売却することが可能です。同ランキングの24位まではいずれも150%(1.5倍)を超えているので、新築マンションに投資する際には参考になるランキングといえます。

複数経営を考えるならワンストップサービスの不動産会社が便利

ここまで紹介した〇〇の街ランキングの他にも、毎年いろいろなテーマの不動産ランキングが発表されているので、物件選びに活用するとよいでしょう。

それとともに、取引する不動産会社選びも同じように大事です。最初のマンション経営が成功したら、2戸目の物件購入に広げていきたいと考える場合は、物件の販売から賃貸管理、入居者募集までワンストップで行う総合不動産会社を利用するのが便利です。

小規模な不動産会社では、仲介のみで管理は行っていない場合もあります。その場合は別の会社に管理を委託するので、2つの不動産会社と取引しなければなりません。その点、総合不動産会社であれば購入も管理も窓口は1つなので、購入したらそのまま管理も委託することができます。

さらに地場の不動産会社から購入すると、たとえば東京都北区と大田区のように距離が離れている場合は別々の不動産会社と取引することになります。総合不動産会社であれば距離が離れていても同じ会社が販売・管理するので大変便利です。

もちろん、単数経営であっても忙しくて自主管理が難しい場合は、総合不動産会社を利用すれば本業の仕事にも影響を与えません。また、総合不動産会社は供給実績も豊富なので、〇〇の街ランキングに入るエリア周辺の物件を販売している可能性が高いと考えられます。

〇〇の街ランキングで気になるエリアが見つかったら、まずは総合不動産会社を訪ね気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

(提供:Incomepress



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