請求書の最低限の書き方は?

続いて、請求書の「書き方」について解説していこう。請求書はフォーマットが決まっているわけではないが、ビジネス的な慣習や消費税の記載ルールなどから著しく逸脱した請求書を発行すると、取引相手からの信用を失いかねない。

国税庁の公式サイトに、消費税を課税する場合に記載する内容について説明があるので、まず以下で主な項目を列挙していこう。

・請求書を作成した人もしくは企業の名称
・取引を行った年月日
・取引を行った内容
・税込単価の額(税率の区分ごと)
・書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

このほかにも、ビジネス上の慣習として記載した方が望ましい項目がある。

・請求書を作成した企業の住所・電話番号・担当者名など
・請求先の企業の住所・電話番号・担当者名など
・請求書ナンバー
・請求書の発行日
・支払い期限

提供した商品やサービスによって請求書のフォーマットやデザインは変わるが、請求先がとまどわないよう、同種の商品やサービスにおいては基本的に同種の請求書のファーマットやデザインを使い続けるようにしたい。

請求書の送り方は?

請求書を送る際は、基本的には相手方にとって最も都合が良い方法、もしくは相手方に失礼がない方法を選ぶべきだ。

相手方が書面を求める場合は書面を郵送で、PDFなどの電子化した請求書を求める場合はデジタル化した請求書をメールで送付しよう。もちろん、その両方を送る方が望ましいケースもある。

請求書を郵送で送付する場合の注意点

請求書の一般的なサイズである「A4」の請求書を郵送で送付する際には、請求書を折らずに同封できる「角形2号」か、三つ折りにして同封できる「長形3号」を選ぶ。封筒の色に特別なマナーはないが、茶色の封筒か、白や薄い青色の封筒を使うのが一般的だ。

請求書を三つ折りにする場合は、内容が書かれている面が中にくるように折り、開いたときに必ず「請求書」の文字が最初に目に付くようにするのがマナーだ。

封筒の表面には「添え書き」を書くことを忘れないようにしたい。添え書きとは「請求書在中」といった記載のことで、青色や黒色で四角の枠で囲むのが普通だ。赤色で書くと「赤字」を連想させるため、避ける。

請求書をメールで送付する場合の注意点

請求書をメールで送付する際には、まずデータは「PDF」形式にすることを徹底したい。紙の請求書をスキャンする場合は、保存形式としてJPGを選べることも多いが、PDFを選択しよう。

また、請求書をWordやExcelで作成していたとしても、WordファイルやExcelファイルで送付するのは適切ではない。ファイルを開いた際に文字化けしたりデザインが崩れたりする可能性があるからだ。

ほかにも、相手方がWordファイルやExcelファイルを開けないかもしれない。WordやExcel がインストールされていても、バージョンが違うとファイルが開かない可能性もある。

ファイル名にも注意したい。取引年月日や取引内容、取引金額、自社名などをファイル名に入れ、相手方がファイル名を見ただけでどのような請求書なのかがイメージできるようにする。