楽天が携帯電話事業に本格参入
先月29日、楽天グループであるフュージョン・コミュニケーションズ株式会社が格安通話サービス『楽天モバイル』の提供開始を発表した。楽天によれば、「『楽天モバイル』は、フュージョンが提供する、NTTドコモのLTE網を利用したMVNO(仮想移動体通信事業者)サービス」であり、「SIMフリー端末と音声通話対応の格安SIMカードのセット、および音声通話対応の格安SIMカードのみの、2つのサービスを提供」すると述べている。楽天が通信業界に参入してきた理由は一体何なのだろうか。
楽天モバイルのサービス内容
楽天モバイルの特徴を一言で表すと「超低価格」となるだろう。最も安い月額プランは1250円で、大手通信会社の最安値プランと比較すると1/3程度になる。同じカテゴリーであるMVNOの中でも最安値だ。楽天の記者発表のプレゼン資料には『業界最安値』の文字があちらこちらに見える。最も高額である通信料7GBのプランでも、月額2960円と破格の安さだ。さらに楽天モバイルは、ドコモの通信回線を使うため、つながりやすさやスピードはドコモと同じとうたっており、ドコモユーザーの場合はSIMロック解除しなくてもスマートフォンをそのまま使うことが出来る。他社からの乗り換えの場合、ナンバーポータビリティ対応なので、番号もそのままでOKです。さらに『ZenFone5』という対応新機種を発表した。iPhone6やiPhone6+の端末価格が8万円〜9万円することを考えると、この『ZenFone5』は端末価格2万6400円という破格の安さだ。
大手キャリアの料金体制に不満
楽天がモバイル事業に乗り出してきたのは、当然、勝算があると考えたからだろう。日本の携帯電話料金は先進国の中でも2番目に高く、既存の大手キャリアの料金体制に不満をもつユーザーは多かった。楽天はその需要に対して、サービスの提供を行う決断をしたのだ。楽天の狙いは毎月の固定費である通信費を安く抑えることにある。固定費である通信費は簡単に削ることが出来ない費用だ。増税や原材料費の高騰などで家計が圧迫される。物価が上がった分収入も増えれば問題はないのだが、実際問題それはなかなか難しい。固定費を除いた遊興費や嗜好品の買い物が鈍化してしまうのは目に見えている。固定費である通信費の出費が減った分、楽天市場で嗜好品の買い物をしてもらったほうが楽天にとってもありがたい話だ。