楽天と楽天モバイルのシナジー効果

楽天は楽天市場や楽天トラベルなど多角的経営を行っている企業だ。今回発表された楽天モバイルも狙いは楽天ユーザーの囲い込みにある。会員数約9400万人を抱えるグループの顧客基盤を生かして「3~4年後には販売台数1000万台を目指す」と三木谷氏は述べている。申し込みは楽天市場から行い、決済は楽天カード、もしくは登録済のカードで行えるなど既存の楽天ユーザーにとっては非常に申し込みのハードルが低くなっている。さらに今後、楽天ポイントとの相互関係や楽天市場での買い物への誘導など新たな仕組みが出来てくるだろう。楽天ユーザーではない新規顧客も、楽天モバイルの申し込みをきっかけに楽天市場への登録を行うことも十分考えられる。楽天モバイルの消費者のニーズを的確についた低価格戦略は、既存顧客に対しても、新規顧客に対しても十分に効果的な戦略だと言える。


課題は『リアルな店舗』

一方で、3、4年で1000万ユーザーを目指すには、解決すべき課題もある。それは、店頭での契約だ。現時点では販売がWebのみとなっており、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)をしようとすると電話番号が使えない期間が発生してしまう。現時点ではいつ店頭販売が始まるのかは決まっていない。また、端末が一括払いのみであり、いくらZenFone 5が安価でも、分割で購入できないとハードルは一気に高くなる。

課題はあるものの、既存の携帯業界に新たサービスを提供しようとする楽天。2014年1~9月期、および同7~9月期の連結決算は増収増益であり、楽天は成長し続けている。今回の挑戦は更なる成長への糧になるはずだ。

(ZUU online)

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