出資金のメリット・デメリット(出資する側)
出資金には、メリットとデメリットがある。会社への出資を考える際には、出資金のメリットとデメリットの両方を十分に把握しておかなければいけない。ここでは、出資する側における出資金のメリット・デメリットを見ていこう。
出資する側における出資金のメリット
出資する側における出資金の代表的なメリットとしては、次のようなものがある。
・売却益や配当を受けることができる
出資者は、出資した会社に利益が出たら出資金の割合に応じて一定の配当金を得ることが期待できる。配当金を受ける回数は、会社によって異なるが年2回のケースが多い。出資した会社に利益が出た年は、基本的に配当を得ることができる。また会社の業績が上がれば株価も上昇するため、株式の売却時には多額の売却益を得ることも可能だ。
・好きな会社を応援することができる
出資は利益を得るためだけに行うものではない。好きな会社を応援するために出資するケースもある。普段から商品を使っている会社や好きなアーティスト、スポーツ選手が在籍している会社など自分が好きな会社に出資することで、その会社を応援できるのもメリットの一つだ。
出資する側における出資金のデメリット
出資する側における出資金の代表的なデメリットには、次のようなものがある。
・出資額を回収できないこともある
会社に出資して得られる利益には、配当金と売却益がある。しかし出資したからといって、配当金と売却益を必ず受け取れるとは限らない。例えば出資した会社の業績が悪ければ、配当金を得られないこともある。また業績が悪く株価が下がっている場合は、出資額よりも低い評価額でしか株を売却することができず、損失が出る可能性もある。
・出資した会社が倒産することもある
出資した会社の業績が悪ければ最悪の場合、倒産に至ることもある。出資先が倒産した場合、配当金を受け取れないだけでなく出資金の価値は0円となる。倒産した企業の株式売却は難しいので、場合によっては出資額の全額損失となりかねない。できるだけ損失を被らないためにも出資する会社の経営状態などを事前にチェックしよう。
また出資したあとも常に会社の経営を確認しておき、損失が出そうな場合は早急に株を売却するなどの手段を講じる必要がある。
出資金のメリット・デメリット(出資を受ける側)
出資を受ける側にもメリットとデメリットがある。数ある資金調達方法で出資を選択するのであればメリットとデメリットの両方を十分に把握しておかなければいけない。ここでは、出資を受ける側における出資金のメリット・デメリットを見ていこう。
出資を受ける側における出資金のメリット
出資を受ける側の代表的なメリットには、次のようなものがある。
・返済が不要
冒頭で解説したように出資金は返済義務がないため、返済により資金が減ることを気にする必要がない。ただし出資を受けるためには、出資者に会社の魅力を十分に伝えることが求められる。また毎年の経営に対して出資者の目が厳しくなったり、経営に口出しをされたりすることもあるので注意が必要だ。
ただし会社と出資者に適度の緊張感があるため、経営がおろそかになることはなく、むしろ会社の成長につながるなど良いほうに向かうことも多い。
・多くの資金を集めることができる
一般的に出資金を受ける場合は、多くの金額を集めることが可能だ。そのため事業資金だけでなく設備投資や研究開発、新たな分野への進出など会社の成長につなげることができる。
出資を受ける側における出資金のデメリット
出資を受ける側における出資金の代表的なデメリットには、次のようなものがある。
・出資者に提出する資料の作成が必要
会社は、出資者に対して定期的に会社の財務状態や経営状況などを報告する必要がある。財務状態や経営状況などを報告するためには、財務諸表や出資者への報告用の資料の作成などが求められる。そのための手間とコストが会社の負担となることもあるため、注意したい。
・経営権を奪われることもある
株式会社の場合、出資を受けるということは「出資者に株式を発行する」ということである。多くの株式を外部の株主(出資者)に発行してしまうと株主に経営権を奪われる可能性があるので注意が必要だ。