この記事は2023年7月14日にSBI証券で公開された「NISA活用も!30万円未満~投資家の関心が高い7月優待銘柄は?」を一部編集し、転載したものです。
NISA活用も!30万円未満~投資家の関心が高い7月優待銘柄は?
日経平均株価は7/3(月)に年初来高値を付けた後、上昇一服状態となりました。上昇ピッチの速さに対する警戒感に加え、米金融引き締めが長引くとの見方から米長期金利が上昇基調となったことが要因とみられます。ただ、7/3(月)公表の日銀短観(6月調査)で、大企業製造業の業況判断指数は7四半期ぶりに改善し、日本の景気・企業業績は上向きであると認識されています。
そうした中、7月下旬からは内外で決算発表が本格化します。日銀短観をみる限り、日本の決算発表は多くの銘柄にとって「好材料」になると期待されます。それらを好感する形で株価反発が本格化する可能性もありそうです。個別には決算発表のタイミングを迎える3月、6月、9月、12月決算銘柄の動向には注意が必要とみられます。
ただ、中長期的な投資スタンスを重視し、配当や株主優待を着実に享受しようと考えている投資家にとっては、すべての決算期が重要と言えるかもしれません。数こそ多くはありませんが、7月に配当・株主優待の権利が確定する銘柄もあります。数が少ない分、投資家の目につきやすい銘柄も出てくる可能性があり、むしろ市場全体に逆風が吹いている方が、投資タイミングをとらえやすいかもしれません。
「日本株投資戦略」では、少数派である7月に株主優待の権利が確定する銘柄についても、チェックしたいと考えます。
なお、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃいます。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。
それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。
もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。
今回、「7月株主優待銘柄」として、ご紹介したい銘柄は、以下の条件により抽出された銘柄です。
(1)東証上場銘柄(広義の金融を除く)
(2)7月に株主優待の権利確定を予定する銘柄で、権利付最終日が7/27(木)
(3)7/12(水)までの20営業日で、1営業日当たりの平均出来高が2万株(REITは200口)以上
(4)投資金額が30万円未満で株主優待の権利を得られる銘柄であること
(5)株主優待の権利確保に必要な最短保有期間の条件がない
(6)7月決算企業の場合、第3四半期累計の営業損益が黒字。1月決算の場合、第1四半期の営業損益が黒字。リートの場合、前期の営業損益が黒字
(7)継続企業の前提に疑義が生じていない
(8)信用取引規制(注意喚起・日々公表は除く)が実施されていない(2023/7/13時点)
図表の銘柄は、(1)~(8)の条件をすべて満たしています。
また、これらはSBI証券の「株主優待検索ページ」にて、閲覧回数の多い順番(7/12時点)で並べられています。
*重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~
※権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。
※現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。
※一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。
※権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。
株主優待の一部をご紹介
丸善CHIホールディングス(3159)
(1)文教市場販売事業(24.1期1Q売上構成比36%)、(2)店舗・ネット販売事業(同37%)、(3)図書館サポート事業(同19%)他を展開しています。
利益の稼ぎ頭である(1)の事業では、各種図書館に書籍や汎用書誌データベース等を販売。さらに大学や研究者向けに書籍販売、英文校正、翻訳サービスの提供等を行っています。(2)では、全国都市部を中心とした店舗網(4月末 112店舗)で書籍・文具・雑貨等を販売、(3)では図書館運営業務の受託等を行っています。
24.1期1Qは売上高466億円(前年同期比1%増)、営業利益22億円(同6%増)と順調な滑り出し。上記(1)の事業で売上高は微増程度でしたが、経費節減の効果が表れたことが貢献しました。1株配当は中間期(23.7)末は無配、今期(24.1)末2.0円を予定。また、7/27(木)現在、保有株式に応じて商品券が贈呈されます。
・100株以上→500円相当 ・200株以上→1,000円相当 ・500株以上→2,000円相当 ・2,000株以上→3,000円相当
・3,000株以上→4,000円相当 ・4,000株以上→5,000円相当 ・5,000株以上→6,000円相当
シルバーライフ(9262)
「食の観点から誰もが安心して歳を重ねていける社会を作ります」が経営理念。高齢者向け配食サービスを展開し、提供ルート別構成比(22.7期)は、FC・加盟店が72%、高齢者施設等が12%、直販・その他が16%となっています。
23.7期3Q(22.8-23.4)の売上高は90億円(前年同期比9%増)、営業利益5.5億円(同16%増)と増収増益。新型コロナウイルス感染症の影響による配食需要の一巡、材料費や人件費の上昇が逆風。ただ、工場や物流センターへの大型投資一巡、自社製造への一部切り替え等で粗利率は改善しています。
6/27(火)付で、広大かつ3温度帯の保管スペースをもち2022年に稼働を開始した物流センター(埼玉県加須市)を活用し、渡辺製麺の「一風堂」ブランド商品の保管・ピッキング(品物を倉庫や工場内に集める)業務を受託しており、業績への貢献が期待されます。
23.7期(通期)は売上高127億円(前期比13%増)、営業利益7億円(同24%増)が会社予想。1株配当は中間期(23.1)末は無配、今期(23.7)末に15円を予定しています。また、25.7期には営業利益17億円を目指しています(中期計画)。7/27(木)時点で200株(約28万円)保有する株主に対し、同社冷凍弁当通販サイト「まごころケア食」で利用できる10,000円分(5,000円×2枚)の自社商品券が贈呈されます。
▽週足チャート(3年)
データは2023/7/7(週足)11:00時点。
*当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
*上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
▽通期業績推移(百万円)
※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。
▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。