11月14日、大手銀行3グループの2014年4月~9月期決算が出揃った。
三井住友フィナンシャルグループ <8316> は経常収益2兆3,602億円(△0.1%)、経常利益7,805億円(△6.6%)、中間純利益4,795億円(△5.2%)であった。
※(%)内は対前年中間期増減率、以下同様
また、みずほフィナンシャルグループ <8411> は経常収益1兆5,126億円(△1.8)、経常利益5,378億円(△5.1%)、中間純利益3,552億円(△17.3%)。
そして三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> は経常収益2兆7,615億円(6.9%)、経常利益9,498億円(11.7%)、中間純利益5,787億円(9.1%)となった。
国内本業で稼げないメガバンク
一見すると、三菱UFJグループは前年中間期と比べて増益を確保していることから好調のように見える。しかし、内情は決して楽観視できるものではない。なぜならば、国内における収益低下が著しいからだ。総資金利鞘を見るとその状況がうかがえる。
三菱UFJグループでは、三菱東京UFJ銀行単体において国内業務部門の総資金利鞘が今年度中間期で△0.07%、みずほグループでもみずほ銀行単体で国内業務部門の総資金利鞘が△0.06%と2行がマイナスとなった。
これは本業である融資が国内では収益を上げるどころか足を引っ張っていることを意味している。三菱東京UFJ銀行においては前中間期も総資金利鞘はマイナスとなっていたが、みずほ銀行は今中間期でマイナスに転落した。
これは、日銀の追加金融緩和で思うように稼げなくなっているからだ。三菱UFJグループの平野信行社長は「下期も金利低下を伴う利ざやの縮小を想定する必要がある」と日本経済新聞の記事(2014年11月15日付)で語っている。