本記事は、永江 将典氏の著書『税金でこれ以上損をしない方法』(翔泳社)の中から一部を抜粋・編集しています。

経費と書かれたブロック、電卓、スマホ、ノート
(画像=ELUTAS / stock.adobe.com)

「経費が多すぎる人」は狙われやすい

国税庁のHPでは、税務調査の結果、多く追徴課税がとれた業種のトップ10を公表しています。最新のランキングを見ていきましょう。

これによると最も追徴課税が生じたのは、

1位 経営コンサルタント
2位 システムエンジニア
3位 ブリーダー
4位 商工業デザイナー
5位 不動産代理仲介

となっています。

税金でこれ以上損をしない方法
(画像=税金でこれ以上損をしない方法)

これを見て気がつくと思うのですが、1位の経営コンサルタント、2位のエンジニアともに基本的に「仕入れ」という概念がない業種ですよね。

つまり業種によって「この程度が経費だよね」という基準値があるのでそこを超えるとかなり狙われやすくなるのです。

例えば、システムエンジニアの方の税務調査をサポートする際、よくこんな状況になっています。

税務署の気持ちになって想像してみてください。100枚の申告書があります。全員売上は700万円です。そして、99枚は利益が550万円です。残り1枚だけが利益が300万円です。「この300万円の申告書、怪しい!」となりませんか? こういう視点で税務署はチェックしています。

ただし、システムエンジニアだけど本当に経費を多く使う方もいるかもしれません。本当に経費を多く使った結果、利益が300万円だよということであれば、税務調査できちんと説明していけば、追加で払う税金は0円でちゃんと税務調査は終わりますのでご安心ください。

また、表では1位が経営コンサルタント、2位がシステムエンジニアとなっていましたが、コロナ以前は常に風俗系やキャバクラといった業種が上位にランキングされていました。

しかし、コロナ緊急事態宣言により営業停止していた期間で売上も減ってしまったことからコロナ期間中は調査対象から外されていることがわかります。

このように社会の変化によって調査先も変化していっています。

税金でこれ以上損をしない方法
(画像=税金でこれ以上損をしない方法)
税金でこれ以上損をしない方法
永江 将典(ながえ・まさのり)
公認会計士、税理士。税理士業の他、4つの会社を運営する複業オーナー経営者。
1980年愛知県生まれ。2003年、早稲田大学理工学部応用物理学科卒業。2003年、公認会計士試験に合格し、監査法人トーマツへ入社、一部上場企業の監査や、株式公開支援など約30社を担当。
社会のレールに乗せられ、自分のやりたいことが見つからないまま、気づけば嵌ってしまっていた「社畜」の沼。月間残業200時間超えの生活に疲弊し、2008年、ホワイト企業の代表格「世界のトヨタ」へ転職。
しかし、常に感じる劣等感や人間関係に疲れ、経理部の仕事にもまったくやりがいを感じられない日々を送る。
2012年、夢と自由、本当の自分を求めて32歳で無計画に起業。年収700万円の超安定会社員から、年収150万円以下の社会の底辺へ。自分を殺し泥水をススるような営業に身を削るどん底時代に、シンガポールの億万長者にお金を稼ぐ極意を学ぶ。
その後3年で、税理士業は5店舗へ拡大。お金を稼ぐ極意は凄まじく、YouTubeでは3ヶ月で1億円を稼いだり、飲食業やリハビリ業、不動産業などを開始。2018年、法人化し、事務所名を税理士法人エールへ変更。
現在は、東京丸の内、新宿、横浜、大阪の店舗を運営するオーナー経営者となる。


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