補助金・助成金を実施する4つの機関
補助金・助成金を実施する機関(団体)は、大きく4つに分けられる。実施機関によって制度の傾向は変わるため、ここからは各機関の概要や特徴を紹介していこう。
経済産業省
経済・産業の発展を管轄する経済産業省は、主に中小企業を対象とした補助金制度を実施している。代表的な制度としては、「ものづくり補助金」や「IT補助金」などが挙げられるだろう。
経済産業省の補助金制度は、中小企業や地域活性化のサポートを目的としたものが多い。したがって、設立直後の企業や地域経済との関わりが強い企業であれば、さまざまな制度の受給要件を満たせる可能性がある。
ただし、基本的には公募での募集となるため、申し込み期間が短い傾向にある。また、予算が設定されている制度も多いので、経済産業省の補助金には早めに申し込むことが重要だ。
厚生労働省
労働環境や福祉などを管轄する厚生労働省は、人材育成や雇用促進などに関する補助金・助成金制度を実施している。「キャリアアップ助成金」や「人材確保等支援助成金」などはその代表例であり、支給金額は数十万円ほどではあるものの、企業が利用するメリットは大きい。
ほかにも、シニア人材や障害者の雇用、特定地域での若年層の雇用など、さまざまなタイプの制度が実施されている。全体としては雇用に関するものが多いため、新たに従業員を雇う場合は実施中の制度をチェックしておこう。
地方自治体(都道府県、市区町村)
都道府県や市区町村の中には、独自の補助金・助成金制度を実施している自治体も存在する。主な目的は地域の活性化であり、全体的にユニークな制度が多い。
例えば、東京都港区が実施する「ホームページ作成支援事業補助金」は、コンテンツ制作やホームページ開設などを対象とした支援制度だ。サーバー代やプロバイダー契約料なども補助対象であり、IT化に取り組む中小企業をさまざまな角度からサポートしている。
ただし、自治体は予算に左右されやすいため、地域によっては補助金・助成金がほとんど実施されていないケースもある。また、支援制度の実施目的にも違いが見られるので、本社や支店を構えている自治体の情報は細かく調べておきたい。
民間の企業や団体
民間企業や公益団体には、独自に補助金・助成金を支給しているところも存在する。
例えば大手自動車メーカーである三菱は、地域活性化や社会貢献などを目的としてさまざまな財団を立ち上げている。代表的なものとしては「三菱みらい育成財団」や「三菱UFJ技術育成財団」などがあり、これらの財団を通して全国の企業を支援している。
いずれも公的な支援ではないが、制度によっては大企業からの経営指導やアドバイスを受けられる可能性もある。金銭面以外のメリットも大きいため、特に大企業が実施している制度はこまめにチェックしておこう。