特集『Hidden unicorn企業~隠れユニコーン企業の野望~』では、非上場ベンチャー企業の各社のトップにインタビューを実施。今後さらなる成長が期待される隠れたユニコーン企業候補のトップランナーたちに展望や課題、戦略について聞き、各社の取り組みを紹介している。今回は、株式会社Skyfall(スカイフォール)代表取締役の長谷川智一氏に今日までの経緯や事業の特長、将来の展望などをうかがった。

株式会社Skyfall(スカイフォール)は、2017年に創業し現在は東京都港区に本社を構えるIT企業だ。「いいモノが広がっている世の中を創造する」という経営理念のもと、広告マネタイズプラットフォーム『SKYFLAG』を開発・運営しており、広告マネタイズによる顧客企業の持続的な収益化の実現と、広告出稿のサポートを行う。

本稿ではインタビューを通じて、Skyfallは何を思い事業を運営し、どこにビジネスチャンスを見出しているのかなど、様々な視点からメスを入れていく。

株式会社Skyfall
(画像=株式会社Skyfall)
長谷川 智一(はせがわ ともかず)
株式会社Skyfall代表取締役社長
1990年生まれ。大阪府出身。2013年に株式会社アドウェイズに入社してリワードメディアへのメディアコンサルティングに従事。2016年に株式会社セガゲームス(現株式会社セガ)に新規事業の立ち上げメンバーとして入社し、営業/運用/サービスディレクションなど多岐に渡る業務に従事。2017年10月にSkyfallを設立し、代表取締役社長に就任。
株式会社Skyfall
2017年10月に創業。ビジョンに「いいモノが広がっている世の中を創造する」を掲げ、2019年よりユーザー体験に寄り添った広告マネタイズプラットフォーム『SKYFLAG』を基盤に、企業様にマネタイズツールとして提供すると同時に、広告主様にロングCPEリワード広告を活用した本質的なプロモーションを実現できる広告プラットフォームとして提供し、両者の事業成長に貢献しています。

創業以来、黒字経営を継続。リワード広告市場に新しい価値を生み出した『SKYFLAG』

ー最初に、Skyfall様について教えてください。

株式会社Skyfall 代表取締役社長・長谷川 智一氏(以下、社名・氏名略):弊社は「いいモノが広がっている世の中を創造する」をビジョンに掲げ、広告マネタイズプラットフォーム『SKYFLAG』を通して、他社の“いいモノ”を広げ、さらには自社サービスを通して弊社自身も“いいモノ”を創り、世の中に広げていく取り組みを行っています。“いいモノ”の本質を多くの方に知っていただけるような世の中を目指して事業運営をしています。

ーSkyfall様の事業内容を教えてください。

長谷川:主力事業は、『SKYFLAG』の開発・運営です。インターネット広告というと「YouTube」や「Google」などに表示される静止画のバナー広告や動画広告を思い浮かべる方が多いと思いますが、『SKYFLAG』は既存の広告フォーマットとは異なり、弊社が開発した独自の広告フォーマットを利用しています。我々は『SKYFLAG』を通して、アプリやWebサービスを運営される企業様のマネタイズ支援と、広告主様に対する本質的なプロモーション支援を行っております。

▼『SKYFLAG』について

株式会社Skyfall
(画像=株式会社Skyfall)

ーこれまで、Skyfall様はどのように拡大してきているのでしょうか?

長谷川:弊社は創業以来資金調達を行わず、広告マネタイズプラットフォーム事業を中心に黒字経営を継続しています。広告マネタイズと親和性の高い企業様との資本業務提携等も行いながら、『SKYFLAG』は現在までに数多くの大手有名サービスに導入されており、事業も組織も大きく成長し続けています。 『SKYFLAG』による「ロングCPEリワード広告」がインターネット広告市場に新しい価値を生み出したことによって、他社との明確な差別化を図ることができました。

顧客の悩みに寄り添い、本質的な課題解決を実現する広告プロダクト

ー『SKYFLAG』が誕生した背景やそのきっかけについて教えていただけますでしょうか?

長谷川:Skyfallの創業は2017年ですが、当初はインターネット広告業界において総合的にお客様の課題解決をしたいという想いのもと、広告代理店事業を行っていました。その中で、「広告の質を追求すれば量を確保できなくなり、量を求めれば質が低下する」という業界課題や当時社会問題にもなっていたアドフラウド(広告不正)に直面し、この課題の解決を目指し『SKYFLAG』を開発するに至りました。

ー『SKYFLAG』を開発する上で意識したことはどのようなことでしょうか?

長谷川:広告主様の真のニーズである「自社サービスのファンになってくれるような良質なユーザーを獲得する」ためには、本質的にどのような価値を提供するべきなのか、を考え検証しながらプロダクトを開発しました。

ー開発当初は、広告主向けにリリースしたサービスだったのですね。 その後『SKYFLAG』はどのようにして企業に導入されるようになったのですか?

長谷川:仰る通り『SKYFLAG』をリリースした当初は、広告主様を中心に利用していただいておりました。『SKYFLAG』におけるプロモーション実績を積む一方で、広告主様から出稿いただいた広告を掲載できる配信面を拡大していくことが、今後の『SKYFLAG』の成長の鍵を握ると考え、その後は様々なサービスに『SKYFLAG』をマネタイズツールとして導入していただき、トラフィック数を増やしていくことも並行して注力しました。

ゲームアプリやマンガアプリに導入していただいたことを皮切りに、以前までは広告マネタイズを行ったことのないようなジャンルのサービスにも『SKYFLAG』を導入していただくことが増えていきました。

広告主・メディア・ユーザーの全員が得をする三方良しのBtoBtoC ビジネス

ー続いて、『SKYFLAG』の仕組みについて教えてください。

長谷川:『SKYFLAG』が導入されているサービスの一つにマンガアプリがありますが、ユーザーはアプリ内で使用できるコインを購入してマンガを読むシステムになっています。 一方で、課金をせずにコインを得てマンガを読む方法があり、古くより存在する他社様のサービスで言うと、ユーザーの広告動画視聴に対して報酬が付与される「動画リワード広告」というものがあります。例えばマンガアプリの場合、ユーザーが30秒~1分間の動画広告を見終わると、マンガ1話分程度のポイントが付与されます。

それに対して『SKYFLAG』が提供しているのは、“ユーザーがオファー(広告)を一定条件まで利用する”という体験を通して、ユーザーそれぞれが自身にとって必要な分の報酬を獲得できるタイプの広告となります。

▼ユーザーが利用する際の『SKYFLAG』のイメージ

株式会社Skyfall
(画像=株式会社Skyfall)

ー“ユーザーに新たな選択肢”を複数提示されているのですね。『SKYFLAG』のビジネスモデルについて教えてください。

長谷川:一般的な広告は、広告をユーザーに表示した時や、ユーザーが広告をクリックした時に広告費が発生しますが、『SKYFLAG』ではユーザーが実際にそのサービスを活用し、事前に設定した成果地点までユーザーが到達した際に初めて広告費が発生します。

広告費の一部をシステム利用料として頂戴し、『SKYFLAG』を導入するメディアには広告収益としてお支払いをしています。その広告収益を原資として、メディア内でユーザーに報酬を付与する仕組みとなっています。

▼『SKYFLAG』のビジネスモデル

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(画像=株式会社Skyfall)

『SKYFLAG』を利用することで、広告主様は自社サービスに興味を持った質の高いユーザーを得ることができ、マネタイズを行うメディア側にも広告収益が入ります。さらに、ユーザーにとっても課金をせずにそのサービスをより楽しめるという選択肢が増えるので、三者全員にメリットがある、BtoBtoCビジネスになっています。

大手有名サービスの広告マネタイズを成功に導き、国内市場でシェア率トップを誇る

ー『SKYFLAG』は売上も導入数も右肩上がりで伸びているそうですが、その実績や事例について詳しくお聞かせください。

長谷川:現在『SKYFLAG』は様々なジャンルのサービスに導入されており、「LINEマンガ」などの大手サービスの広告マネタイズにも貢献しています。導入いただいているジャンルとしては、ゲーム・マンガ・ライフスタイル・キャリア決済・公営競技・マッチングなど多数ございます。

▼DMMポイント管理サービス「DMMポイントクラブ」様、マンガアプリを扱う「and factory社」様の導入事例

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(画像=株式会社Skyfall)

ー数々の有名サービスに『SKYFLAG』は導入されているのですね。業界からの評価はいかがでしょうか。

長谷川:大手広告計測ツールのAppsFlyer社が発表する、世界で最も広告効果の高い広告プロダクトランキング 「パフォーマンスインデックス」において、日本・韓国地域での高品質なプロダクトとして評価を得ております。

▼広告効果の高い広告プロダクトランキング 「パフォーマンスインデックス」

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成長要因は、高い収益性と手厚いカスタマーサポート

ー他社にはない『SKYFLAG』の強みを教えてください。  

長谷川:『SKYFLAG』の強みは、高い収益性と手厚いカスタマーサポートであると考えています。

『SKYFLAG』は高い収益性を実現するために、ユーザーが気になる案件を豊富に揃えており、その中で、ユーザーがオファー(広告)に挑戦したくなるような環境とタイミングを作りだせるよう、ユーザーに寄り沿った機能開発を日々行っています。 また、サービスの収益最大化に対して伴走させていただく専任コンサルタントが、日々数字を追いながらご提案や改善を行っております。

もう一つは、カスタマーサポートです。365日いつでもユーザーからのお問い合わせに対して専任のスタッフが迅速に対応をしています。『SKYFLAG』を導入いただくサービスのユーザー満足度を下げないよう、細心の注意を払って万全なカスタマーサポート体制でユーザーとコミュニケーションをとっております。

株式会社Skyfall
(画像=株式会社Skyfall)

最大のテーマは、“ユーザー体験に寄り添った価値”のアップデート

ー今後の目標や展望についてお聞かせください。

長谷川:我々のビジョンである「いいモノが広がっている世の中を創造する」ために、“ユーザー体験に寄り添った価値”を見出しアップデートをしながら、多くユーザーが『SKYFLAG』を利用していただける環境を作ることが私たちのミッションです。 ユーザーデータの分析と検証を重ねて、ユーザーに寄り添った機能開発とコンテンツ拡充に引き続き取り組んでいきたいと考えています。 また「導入ジャンルメディアの拡大」にも注力しながら、「海外進出による市場の拡張」に向けた準備を行っております。

ー最後に、弊媒体の読者層である投資家、資産家を含めたステークホルダーの皆様へ向けてメッセージをお願いします。

長谷川:『SKYFLAG』は日本国内において、各ステークホルダー様に貢献することのできる“新たな価値”を見出すことに成功できたと考えており、今後もこの価値をさらに高めていけるよう社員一同で邁進して参ります。

また、読者の皆様にも『SKYFLAG』を通して世の中の素敵なサービスに触れて生活がより豊かになるような体験を提供できるよう努めていきたいと思っています。 その中で、読者の皆様を始め多くの皆様にとって、今まで以上にリワード広告を身近な存在に感じていただけるよう、『SKYFLAG』は引き続き様々なことに挑戦していきたいと考えているので、Skyfall社の更なる成長にご期待ください。

ー本日は貴重なお話ありがとうございました。

氏名
長谷川 智一(はせがわ ともかず)
会社名
株式会社Skyfall
役職
代表取締役社長