17期連続で増収達成のスノーピークだが2023年の株価はマイナス60%下落していた
(画像=「セブツー」より引用)

「セブツー」では、ファッション&アパレル関連84銘柄の株価騰落率を調査してそのランキングを作成しているが、2023年の年間を通しての騰落率を集計した。2023年1月4日の始値と12月29日の終値を比較している。W TOKYOは6月29日上場のため今回のランキングからは除外している。この期間の日経平均株価は29.53%の上昇率で、ファッション&アパレル関連83銘柄は15.17%の上昇だった。

上昇率第1位は、上昇率98.9%と昨年一年でほぼ2倍になったファッション・靴メインのECサイト「ロコンド(LOCONDO)」などを運営するジェイドグループだった。一方で83銘柄のうち最下位はアウトドアライフスタイル関連企業のスノーピークだった。2023年1月4日の始値2350円、12月29日の終値925円で、株価はマイナス60.6%だった。山井太会長兼社長の長女、山井梨沙前社長の不倫・妊娠騒動(2022年9月21日辞任)があっても株価にはほとんど響かなかったスノーピークだが、コロナ禍真っ只中の2021年11月19日に終値で4440円までマークした株価は、2024年に入った現在も1000円以下という水準でいる。

昨年一年を振り返ると、コロナ禍が収まり、インバウンド需要も劇的に回復して、ようやくファッション&アパレル業界も正常化したと言える。ファッション&アパレル関連の83銘柄のうち、61社がプラスだった。スノーピークも「コロナ禍銘柄」「キャンプ銘柄」として注目され、2022年12月期の通期決算は過去最高の307億7300万円(前年比+19.7%)の売上高を叩き出していた。2023年12月期通期業績でも売上高360億円と強気の予想を立てていた。

しかし、2023年8月10日に2023年12月期の通期業績予想の修正を発表、売上高278億5000万円(修正前は360億円)、営業利益10億9100万円(同50億円)、親会社株主に帰属する当期純利益6億1500万円(同じ28億4900万円)に下方修正している。2005年度から17期連続で増収を達成してきたスノーピークだが、その記録も今期で途絶える。

2023年12月期第3四半期の決算発表をみると、卸売先での売り上げが31億2000万円(前年同期)から23億5000万円と落ち込んでいる。直営店では10億4000万円から11億2000万円と微増していることから、卸売先での苦戦がうかがえる。さらに、売り上げ別でみると、アウトドア関連の売り上げは71億8000万円から55億7000万円に減少しているアウトドアブームの火付け役であるスノーピークだが、どう巻き返していくか今後の動向が注目される。

17期連続で増収達成のスノーピークだが2023年の株価はマイナス60%下落していた
(画像=「セブツー」より引用)