総括
FX「株価対策と預金準備率引き下げ。人民元は年初から底堅く3位」人民元見通し
(通貨3位、株価16位)
予想レンジ 人民元/円20.3-20.8
(ポイント)
*1/24に預金準備率の引き下げがあった
*人民元は管理相場で依然底堅い
*人民銀行は人民元相場を基本的に安定的に維持し、元の国際化を着実に進めるとした
*政府は株価対策を打ち出した
*来週は製造業・非製造業PMIの発表
*人民元円年足、4年連続陽線
*日本のバブルと似ている所と異なるところがある
*株価(上海総合指数、香港ハンセン)は弱い。
*23年通年の成長率は5.2%
*デフレ圧力続く
*MLF金利予想外に据え置き
*人口が2年連続減少
*格付見通し下方修正 ムーディーズ
*イタリアが「一帯一路」から離脱
*1兆元の国債発行し景気対策へ
*米の経済制裁は続く
(政治経済に左右されない管理相場の人民元。年初来3位)
米中関係改善せず、台湾問題、経済指標ほど活気はない経済、株価下落とは関係なく底堅く推移する人民元。管理相場ならではだ。年初来で12通貨中3位、対円で3.99%高。
(ついに株価対策を打ち出す)
不良債権問題もあり、中国株価の下落は止まらなかったが政府が動き出した。日本のバブル崩壊で日経平均が3万8千円から7千円台に下落した時も政府・日銀は様々な対策を打ち出したが、結果は長く出なかった。失われた20年。中国はどうか。
人民銀行は1月24日、預金準備率を0.5%引き下げると発表した。引き下げ幅は2021年12月以降で最大。大半の市場予想を上回った。
潘功勝総裁は、預金準備率の引き下げにより、1兆元が市場に放出されると説明した。
さまざまな政策ツールを活用して流動性を妥当な程度に潤沢に維持し、信用構造を改善し、民間企業と小規模企業への支援を強化するとの方針を示した。
人民元相場を基本的に安定的に維持し、元の国際化を着実に進めるとも述べた。
中国が株式市場の下支え検討、今週にも発表-41兆円規模と関係者
中国当局は、売りが先行し低迷が続く株式市場の安定に向け、相場の下支え策を検討している。投資家の信頼回復を目指すこれまでの対応が不調に終わり、李強首相が対策強化を求めていた。
香港取引所のリンク経由でオンショア株式を買い入れる安定基金の一部として、主に国有企業のオフショア勘定から約2兆元を活用することを目指すという。
当局、株価指数先物の空売り制限をファンドに要請=証券監督当局が、一部のヘッジファンドに対して株価指数先物市場での空売りを制限するよう要請した。無謀な空売り、特にヘッジ目的ではない「ネイキッド・ショートセリング(裸の空売り)」への注意を促されたという。 また投機目的の空売りをしないよう非公式に要請してきた。
(今後の焦点)
1/27に12月工業利益、1/31に製造業・非製造業PMI、2/1に財新製造業PMIの発表がある。
テクニカル分析(人民元/円)
昨日は8日ぶり陰線
日足、昨日は8日ぶり陰線。雲の上に浮上ボリバン2σ上限まで上げていた。1月15日-24日の上昇ラインがサポート。1月23日-24日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン3σ下限から反発、中位を上抜く。3週連続陽線。1月8日週-15日週の上昇ラインがサポート。11月27日週-1月15日週の下降ラインを一時上抜く。5週線上向く。20週線上向き。
月足、ボリバン2σ上限から反落も中位を維持し上昇。7月-12月の上昇ラインがサポート。11月-12月の下降ラインが上値抵抗。
年足、4年連続陽線。ただ23年は22年の高値を上抜けず。22年-23年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
厳しい処分、統計不正
中国の経済指標は2023年の成長率が5.2%前後となり、「大規模な景気刺激策」に頼らずに政府の成長目標を上回ったと李強首相が述べた。物価も低下しており言うことなしだが、伝わってくるものは不良債権、若者失業率の増加、株価の急落である。発表される経済指標は本当に正しいのか疑問が残る。
それに関連しての発表なのだろうか。
*統計不正は統計分野の最大の腐敗で、統計法の重大な違反であり、統計データの質に重大な影響を及ぼす。マクロ意思決定に干渉し、さらにはこれをミスリードする。事実に基づき真実を求める党の思想路線と、真理を追究し実情を重視する働き方に背き、党と政府の信頼を損ねる。
「統計不正」を「中国共産党紀律処分条例」の処分対象とすることで、情状に基づき直接責任者と指導責任者に警告を出す、さらには党籍を剥奪する。これは統計不正の防止、統計データの質向上、党と政治の気風の向上、統計事業の高品質発展の促進に対して重大かつ深い意義を持つ。