レクサス初のBEV専用モデルとして誕生した「RZ」。そのグレードにはどのような種類があるのでしょうか。また、それぞれはどのように違っているのかを解説します。文・鈴木ケンイチ/写真・PBKK
4WDとFFモデルの2モデル
レクサス初のBEV専用モデルとして2023年3月に発売開始となったのが「RZ」です。最初に4WDモデルとなる「RZ450e」が発売され、同じ年の11月末にFFモデルとなる「RZ300e」が追加されています。どちらも装備的には“バージョンL”という内容です。
価格は「RZ450eバージョンL」で880万円、「RZ300eバージョンL」は820万円となります。
パワートレインの差はどれほど?
「RZ450e」と「RZ300e」の最大の違いはパワートレインにあります。
「RZ450e」は、前後の車軸にそれぞれ1つずつ、つまり2個のモーターを搭載する「DIRECT4」と呼ぶ電動4WDシステム。一方、「RZ300e」は、フロントにひとつのモーターを搭載するFFモデルとなります。
「RZ450e」のモーターの性能は、フロントが最高出力150kW(203.9馬力)に最大トルク266Nm、リヤが80kW(109馬力)に最大トルク169Nm。そして「RZ300e」は、最高出力150kW(203.9馬力)に最大トルク266Nmのフロントのモーターのみという構成です。2台ともフロントのモーターのスペックは同じで、リヤの分だけ、「RZ450e」がパワフルになっていると理解すればいいでしょう。
ちなみに搭載するバッテリーは、どちらも71.4kWhのリチウムイオン電池。車両重量は、4WDの「RZ450e」が2100kgなのに対して、FFの「RZ300e」は1990㎏。110㎏ほどの差となります。
そして電費と一充電当たりの航続距離は、「RZ450e」が147Wh/kmで494㎞なのに対して、「RZ300e」は120Wh/kmで599㎞。パワーは「RZ450e」が勝りますが、電費と航続距離は「RZ300e」が上になります。
エクステリアとインテリアの違いは?
「RZ450e」も「RZ300e」も装備的な内容は、どちらも“バージョンL”。そのためエクステリアとインテリアの違いは、ほとんどありません。
ただ、異なるのはタイヤ&ホイール、そしてボディ用のパフォーマンスダンパーの有無です。「RZ450e」は、フロントが235/50R20にリヤ255/55R20に前後パフォーマンスダンパー装備が標準。
後同サイズとなる235/60R18のタイヤに、パフォーマンスダンパーなしが標準となります。パワーと重量にあわせた足回りになっているのが大きな違いとなります。
また、それ以外の装備や先進安全運転支援などの機能類に関しては、2台にまったく変わりはありません。
発売を記念するファースト・エディションの内容
2023年3月に「RZ」が発売になったとき、500台限定の特別仕様車「RZ450eファースト・エディション」が設定されました。
この内容は、ソニックカッパー&ブラック、またはイーサーメタリック&ブラックの専用ボディカラー、専用ブラック塗装アルミホイール、専用印字付きステアリングホイール、専用プレート(センターコンソール部)、専用インテリアカラー(オラージュ&ブラック)というものでした。価格は940万円となっています。
「RZ」には4WDモデルとFFモデル、そして発売記念の500台限定の特別仕様車というグレードが存在します。ただし、駆動方式や専用装備を除いた機能と装備に関しては3モデルの差はありません。差が少ないのが特徴と言えるでしょう。