本記事は、林 重光氏の著書『声のデザイン 一瞬で相手を惹きつける最強のプレゼンスキル』(ジー・ビー)の中から一部を抜粋・編集しています。

Man talking to an attractive woman with question mark
(画像=pathdoc / stock.adobe.com)

よく聞き返されるのは「声が小さい」からなのか?

声に関する悩みは人それぞれですが、なかでも多いのは「よく聞き返されてしまう」という悩みです。詳しく状況をヒアリングしていくと、聞き返されることで悩んでいる方は、大抵その原因を「声が小さいから」だと思い込んでいます。自分の声が小さくて相手が聞き取れないから、何度も聞き返されているのだと考えているのです。

しかし、実際に喋っていただいて声を聞いてみると、声量には問題がないことも珍しくありません。そこで私は、「どういったシチュエーションのときに聞き返されることが多いですか?」と尋ね、原因を詳しく探っていきます。

ざわざわしている環境のときに聞き返されることが多いのか、それとも静かな室内であっても聞き返されるのか。特定の人に聞き返されることが多いのか、誰と話していてもそうなのか。または、電話で話しているときに聞き返されることが多いのか。こうしたことを探っていくと、聞き返されている原因が見えてきます。声の大きさではなく滑舌があまり良くないために聞き返されているということもあれば、そもそも自分の声には全く問題がなく、相手の耳が遠くて聞き返されているというケースもあるのです。

自分の声が持っている特徴を正しく把握するためには、自分の声を、先ほどご紹介した4要素に分解してみましょう。よく聞き返されて困っている方が、4要素で分析してみると「声の大きさには実は問題はなく、高さを少し変えることで解決した」というような事例はたくさんあります。

声は遺伝よりも環境に左右されやすい

家族とは声が似るものです。声帯や鼻腔の形に関係する「声質」の要素においては、声は先天的要素が高いといえます。ただし、声の大きさや出し方などその他の要素は、生まれつきの特性よりも環境による影響が大きいのです。

たとえば、家族が皆大きな声で話す家庭で育った子どもは、自分も大きな声を出すようになります。お年寄りと一緒に暮らしているご家庭では、大きな声で話すのが普通になっていることも多く、大人になって、周りから「この人はどうしてこんなに大きな声で話すのだろう」と驚かれたりします。

また、大きな声を出すときに怒鳴ることが当たり前の家庭で育つと、大人になっても大きな声を出すときに怒鳴り声を出してしまうようになります。そうすると、相手は怒られているように感じて萎縮してしまうでしょう。このように、声というものは、家庭環境などの後天的要素の影響を受けやすいのです。

それは言い換えれば「声は日々の心がけや生活習慣次第で変えていける」ということでもあります。

声のデザイン
林 重光(はやし・しげみつ)
ヴォイスコンサルタント。MAKE UP VOICE代表。大阪芸術大学芸術学部芸術計画学科卒業。2003年から経営者や政治家、芸能人を対象に「伝えたいことを伝わるように伝える」ための、声と言葉のブランディングを行い、約8,000人を指導。日本旅行、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社など行政機関・民間企業・学校向けのセミナーも多数実施。20年間の発声身体技法研究から、独自のメソッド「身体操作と思考操作の組み合わせでパフォーマンスを安定させる技法」を開発。「話す」「読む」「歌う」ことや、発声障害などにより生じる悩みと苦痛を取り除き、短期間でパフォーマンスを安定させることに定評がある。
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