楽天グループは2月15日、2023年12月期の通期連結決算(国際会計基準)を発表した。売上高にあたる売上収益は2兆713億1500万円(前年比7.8%増)、営業利益は2128億5700万円の赤字(前年は3716億1200万円の赤字)、親会社の所有者に帰属する当期純利益は3394億7300万円の赤字(同3772億1700万円の赤字)だった。増収は達成したものの、5年連続の最終赤字だった。
2020年に参入した携帯電話事業の営業損益が3375億円の赤字となり、前期の4792億円の赤字から縮小はしたものの、依然大きな足枷のままでいる。楽天の自社基地局数は4Gが約6万、5Gが約1万を建設しているが、今期は投資を抑えるものの約1000億円の設備投資を予定している。
携帯の契約者数は2023年12月末時点で596万件と堅調に増加しており、解約率は1.7%まで低下しているものの、携帯電話事業のEBITA(利払・税引・償却前利益)黒字化には800から1000万件の契約回線数が必要としている。
主力事業の「楽天市場」を含むインターネットサービス事業は、法人契約の増加や旅行需要の回復などが貢献し、売上収益は前年比9.8%増の1兆2123億円、営業利益は同18.9%増の768億円と好調を維持している。
昨年4月21日には楽天銀行が東証プライム市場への上場を果たし、さらに楽天証券ホールディングスも上場を目指しており、昨年7月4日に東京証券取引所へ上場申請が行われている。
楽天グループは、2024年12月期決算は株式市況の影響を大きく受ける証券サービスを除いた連結売上収益については、2023年12月期と比べて2桁の成長率を目指すとしている。着々と「楽天経済圏」を築き上げている三木谷浩史社長だが、携帯電話事業が足枷のままとなっている現状をどう打開するか注目されている。