③利益率が高く、継続的に利益計上をしている


利益率とは四季報の【業績】欄の、利益(赤い囲い・一般的に経常利益)を売上高(青い囲い)で割ったものです。

図1:武田製薬の四季報業績欄

利益率が高い会社の場合、自社商品がうまく差別化を図れている、つまり高いお金を払ってもその会社の商品を買いたいと思えるようなブランド力のある商品を作れていることを指しています。

なお、利益率の高低を判断するにあたって目安となる数値は業種によってバラバラですが、5~10%あれば優良であると一般的に言われています。

④自己資本比率が高めで、借入金が少ない


自己資本比率は、四季報の【財務】の欄に記載されています(赤線)

図2 自己資本比率

自己資本比率は、総資産の中の自己資本(株主の出資金と利益をたしたもの)が、会社のすべての資産に対してどれだけの割合を占めるのか、を表したものです。
自己資本比率の高い企業は、負債が比較的少なく、株主の出資金や会社の利益が大きいことを表しているので、3)と同じく継続的に利益を得られている、もしくは株主からの信頼が厚いことを表します。負債が少ないので、このような会社は一般的に倒産リスクが低いといえます。
一般的に、自己資本比率が40%以上であれば潰れにくい会社、50%以上であれば優良、70%以上が理想であるといわれています。

⑤株価収益率15倍以下


株価収益率は、株価を1株当たり当期純利益で割ったときの数字をいいます。
一株当たり利益は【業績】欄に記載されています。(赤い囲い)

図3 一株当たり利益の記載場所

長期投資の場合、長期的な株価の値上がりによる、最終的な差額によった利益を得ることが目的です。一般的に優良会社といわれる会社で、株価収益率が高い会社は、すでに株価が割高となっていて、伸びしろが小さく株価の値上がりによる利益が得づらいです。

逆に、優良企業で利益が継続的に上がっているのに、株価収益率が低い会社の場合、外的な要因(不況など)により株価が下がっている場合が考えられます。優良企業の場合、このような不況に耐える体力があると考えられます。市場に不安心理が働いているときが、実は買い時といえるでしょう。
また、株価収益率15倍というのは平均的な株価収益率で業種によってばらつきがあるので、目安として、業種別平均の株価収益率よりも高いか低いかという基準で考えるのが良いかと思います。

なお、③〜⑤の項目は、候補となっている会社の中長期の動きを視野に入れて判断することが肝要です。
そして、最終的に採否を判断していくにあたって利用する各財務指標の数値が満たすべき水準は、要求水準は東証平均や業種別平均などを参考に自分で決めていきます。

【要求水準の決定にあたって参考になるサイト】
モーニングスター 東証・業種別データ (PER・PBR配当利回りなどの平均が一覧になっている)
日本経済新聞社国内株式指標 (毎日更新)