銘柄の絞り込み①将来性・安全性の判断


銘柄の候補選びが終わったら、いよいよ絞り込みにかかります。四季報などで、利益率などをはじめとする、財務指標の変動をチェックします。
もし、利益率が下がっているなど、悪化傾向にあるなら、課題を把握したうえで、どのように対応を図っていく予定なのかをチェックしましょう。

これは、四季報の右上の部分に概略が載っています。(赤い囲い)

図4 対応策・四季報

もっと詳しく知りたい場合は、企業が出しているアニュアルレポートがおすすめです。会社が解決すべき課題と、それに対する対応策等について詳しく書かれています。

こちらは武田薬品工業のアニュアルレポ-トの目次部分です。

図5 アニュアルリポートの目次

アニュアルレポートの主に赤線を引いてある部分(事業価値創造関連)に、現状として直面している課題およびそれに対する解決策や、また将来に向けての展望や目標などが詳細に記載されています。

次に収益率を検討してみましょう。参考にする指標は配当利回りです。
これは四季報の業績欄に載っています。(赤い囲み)

図6 配当金関係の記載場所

これが、銀行預金の金利に比べて高いならば、より効率よく投資ができることを意味します。(300万~1000万円の定期預金の3年物の金利平均は0.032%)このときに、配当金額の推移を一緒にチェックすることもおすすめします。(青い囲み)
この例の場合、配当金額は一定です。

株価の水準に目星をつける(株価変動に着目)


最終的に銘柄が決定できたら、株式を買う準備に取り掛かりましょう。

最初に書きましたように、長期的な株価変動による収益獲得が目的なので、買うタイミングがとても重要になります。割安のときを狙って購入します。「割安の時」は短期的ではなく長期的な話です。したがって、株価の変動も長期のスパンでチェックします。

このとき参考になるのが各種株式情報サイトにある株価検索です(例としては モーニングスター )。
以下のようにグラフにして表示してくれるので、とても判断がしやすくなります。

図7 株価変動のグラフ

数年間の株価の変動を確認して、今が割高であるならば、投資は少々見送って、値下がりするまで待つほうがいいでしょう。

銘柄を購入する


銘柄も決定して、いよいよ買う段階に入っていきます。
しかしここで注意があります。

それぞれご自身に合わせた投資予算額があると思われますが、その予算をすべて一つの銘柄につぎ込むのはあまり望ましいことではありません。その一銘柄の動きに投資結果がすべて左右されてしまうためです。
そのようなリスクを下げるために分散投資をする必要があります。このとき、同業種では同じような値動きをとってしまう可能性が高いため、他業種で分散投資をしていくことが一般的にお奨めといえます。

以上、長期投資に適した銘柄選びの仕方をお届けしました。
長期投資されるときの手助けとなれば幸いです。

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ZUUonline編集部