主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年4月16日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼15日(月)の為替相場
(1):神田財務官 円安けん制発言
(2):米小売売上高を受けてドル買い強まる
(3):イスラエル「反撃せざるを得ない」
▼15日(月)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値模索の展開が続く/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
15日(月)の為替相場
期間:15日(月)午前7時00分~16日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):神田財務官 円安けん制発言
財務省の神田財務官は、為替相場について「米国などの財務官・中銀幹部と頻繁に連絡を取っている」と発言。円買い介入に向けて海外当局との根回しを進めていることを示唆した。これを受けてやや円買いに傾く場面もあったが影響は一時的だった。直後にはロイター通信が「日銀は政策決定においてインフレをそれほど重視しない公算」と報じた。インフレ率が2027年初頭まで目標の2%程度にとどまるという予測だけでは、目先の利上げはないだろうとする関係者の見解が伝わった。
(2):米小売売上高を受けてドル買い強まる
米3月小売売上高は前月比+0.7%と市場予想(+0.4%)を上回った。自動車を除いた売上高も前月比+1.1%と予想(+0.5%)を大幅に上回る伸びとなった。また、いずれも前月分がそれぞれ+0.9%、+0.6%に上方修正された。なお、国内総生産(GDP)の算出に用いられるコア売上高(自動車、ガソリン、建材、外食を除く)は前月比+1.1%とこちらも市場予想(+0.4%)を大きく上回った。米経済は堅調との見方があらためて広がると長期金利の上昇とともにドル買いが強まった。3月小売売上高を好感して米国株先物が上昇したこともあってクロス円はドル/円につれ高した。
(3):イスラエル「反撃せざるを得ない」
イスラエルは前日のイランによる報復攻撃について「反撃せざるを得ない」と米国に伝達。この報道を受けて中東情勢の緊迫化懸念から円を買い戻す動きが出た。直前に154.44円前後まで上伸して1990年6月以来の高値を付けていたドル/円は反落。ただ、リスク回避のドル買いも持ち込まれたため下げは一時的だった。クロス円は、その後米国株が下落に転じたこともあって上値が重かった。