取次大手のトーハンは約14億円の最終利益も雑誌はほぼ半数が返品
トーハン本社(画像=「セブツー」より引用)

トーハングループは5月31日、2023年3月期の通期連結決算を発表した。売上高は3988億2600万円(前年比1.0%減)、営業利益は前年比4.9倍となる11億6100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同4.6倍となる14億5000万円と減収ながら大幅な増益だった。

トーハン単体では、売上高は3677億3300万円(前年比2.5%減)、営業利益は5200万円(前年は4億8600万円の赤字)、当期純利益は14億1500万円(前年比71.7%増)だった。経常利益では、取次事業が13億5500万円の赤字だったが、不動産事業が19億1400万円と好調で、前年比42.8%増となる8億6700万円だった。

取次事業の売上高は、書籍は1812億900万円(前年比0.1%増)、雑誌は1053億9100万円(同2.4%減)、コミックは474億8000万円(同5.6%減)だった。返品率は書籍が36.5%、雑誌が48.3%、コミックが25.5%で、雑誌は半数が返品されている状況だ。

トーハングループは今後、本業である出版流通などのインフラを再構築し、不動産事業のさらなる推進や新規事業の開発などで事業領域を拡大し、収益基盤を多角化していく考えだ。