ID為替レポート
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「7月はデータ通り円高か、8月は全体ではドル高」

(バブルでもないのに、バブルつぶしの日本=円買い介入で株安)

ドル円=155-160、ユーロ円=169-174、ユーロドル=1.06-1.11


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通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨最下位(最下位)、株価3位(3位)、バブルでもないのに、バブルつぶし(介入・利上げ)へ向かうか」
(7月はここまで首位、円高株安。年間は最下位)
7月の円高はデータによるものか、推定6兆円の円買い介入効果か、円が7月首位に立った。ただ年間ではまだトルコと同率最下位だ。日経平均は、介入以降4万2千円台から先週末は一時4万円割れまで下落した。
円高には弱い日経平均。10年国債利回りは小動きで1.04%。

(データが示す今後の円)
 7月はデータ通り円高になりそうだが、7月末(今年は7月31日)だけはドル高のデータだ。8月は全体ではドル高。10日ごとのデータは、上中旬は偏りなく、下旬がドル上げ、月末は偏りなしだ

(6月消費者物価、貿易統計)
 6月消費者物価は前年同月比2.8%上昇、政府が電気代やガス料金などの負担軽減策を縮小したことで、電気代やガス代が値上がりした。5月も2.8%上昇だった。コアは2.6%上昇、コアコアは2.2%上昇となった。7月23日には、よりインフレの長期的傾向を示す日銀の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」が発表され、7月31日の日銀政策決定会合の重要な参考資料となる。今週は7月東京都区部の消費者物価の発表がある。
 6月貿易統計は3か月ぶりの黒字の2240億円となった。今年は3月以来2度目の貿易黒字。これが定着するかどうか。去年の6月も黒字であったが、その後は赤字の月が多くなっていた。
 
(政府は成長見通し引き下げ)
 内閣府は、2024年度の日本経済の成長率の最新の見通しを示し、円安による物価高を背景に個人消費の下振れが見込まれるなどとして、物価の変動を除いた実質でプラス0.9%程度とこれまでより0.4ポイント引き下げた。
 岸田首相は、デフレ脱却と持続的な成長に向けて、賃上げを促す取り組みをはじめとしたあらゆる政策を総動員するとともに、物価高対策にも万全を期す考えを改めて強調した。
 まだ政府はデフレ脱却の過程と主張、成長見通し引き下げとする中での日銀の舵取りが見ものだ。円安是正のためだけで利上げを行うと、過去3回の失敗(三重野、速水、福井各総裁の失敗)を蘇らせることとなる

 バブルでもないのに、バブルつぶしの政策(円買い介入と利上げ)を行うと、円安株高の好循環、企業最高益、最高税収などを崩してしまうこととなる。

(財務大臣はG20で円安是正を訴えるか)
 今週はG20財務相・中銀総裁会議がある。鈴木財務相は「為替に関する論点を含め日本の立場をしっかり伝えていきたい」と語った。ロシアも中国も参加するG20で声明で円に言及されるかどうかは疑問。いつもの「。我々は、2021 年4月の為替相場についてのコミットメントを再確認する」だけに終わるか。
 ただ財務相や日銀総裁が現地のインタビューで政策にたいする本音をもらすことはあるので注意したい。

*米ドル「通貨3位(3位)、株価(NYダウ)10位(15位)、トランプフレーション)」
(ドルは日銀介入もあり弱い)
 7月のドルはやや弱い。12通貨中8位。日銀のドル円の売り介入の直撃を受けた。膨大な円買いの対価でのドル売り。これをドル以外の通貨でやれば,ECBであれ、RBAであれ、人民銀行であれ強烈な抗議を受けるだろう。そう思えば米国は寛容だ。ただ円は年間ではまだトルコリラと同率最下位。米株はダウが先週は0.72%高も、ナスダックは3.65%安、S&Pは1.97%安となった。米国10年国債は4.24%、前週末の4.181%から上昇した。
 また、フェッドウオッチではFRBが7月金利据え置きの確率は96.4%、0.25%利下げの確率は3.6%。 9月に金利を据え置く確率は2.9%、0.25%利下げの確率は93.6%、0.5%利下げの確率は3.5%となっている。

(今週は2Q・GDPの発表)
 2Q・GDPの予想は前期比年率で2%増で1Qの1.4%増から改善する見込み。コアPCEインデックスは2.6%で1Qの3.1%から改善する見込み。アトランタGDPナウは2.7%、クリーブランド連銀のCPIナウは3.01%、コアは3.33%。NY連銀のサプライチェーンインデックスは-0.03、大きな混乱、悲観的要素はない。

(いろいろ不安)
 市場は常に不安が付きまとうが、米国ではトランプ政策、民主党のリーダーシップ、世界的IT障害(クラウドストライクなどがある。株価の落ち着きがなくなっている

(トランプフレーション)
 大統領選挙でのトランプ氏勝利の観測が広がっている。そうなれば物価上昇圧力が再び大きくなる「トランプフレーション」が発生するという懸念が出ている。関税拡大、拡張財政、移民障壁などトランプ氏の政策は米国内の物価だけでなく世界経済にまで影響を及ぼしかねない。
トランプ氏の公約の多くは米国内のインフレを刺激する環境を作る可能性が大きい。個人所得税率を低くするなどの減税政策と輸入品に対する関税引き上げ政策は米国内の物価を引き上げるという指摘を受ける。
米国債10年物利回りもトランプ大統領銃撃のニュースが流れた後、4.17%から4.24%まで上昇した。減税と財政拡張を主要政策に掲げるトランプ前大統領が当選すれば米国債発行が増え、長期物を中心に米国債利回りが上昇するだろうという予想が多い。

(トランプ氏はドル高是正の意向を表明も、長期には貿易動向次第)
トランプ氏は「対ドルで円安や人民元安が甚だしい」、米国輸出企業にとって「すさまじい負担だ」などと、ドル高是正の意向を表明した。
この主張はトランプ氏が大統領だった2016年も発せられた。当時は円、人民元、メキシコペソがやり玉に挙がった。結果はペソは急騰、円は急落、人民元はドルにパラレルに動いている。大統領が為替相場のトレンドを作ることは出来ず、ペソは対米黒字や郷里送金で上昇、日本は貿易赤字拡大で下落、人民元はドル基軸のバスケット制で安定ということとなっている。

*ユーロ「通貨4位(5位)、株価8位(6位)DAX)、ユーロドルは3週連続陽線と強い、フランス情勢の捉え方」
(ユーロ圏の景気は弱いが、ドルが弱いから対価として上昇)
 ドルが弱いから上昇している。7月はドルが8位、ユーロが3位。ユーロ圏の経済指標が強いわけではない。欧州金利はやや低下、フランス情勢のさらなる混乱はなく落ち着いている。株価(独DAX)は先週は3.07%安、年間では8.48%高。

(ECBは据え置き、ラガルド総裁は景気評価を「下向き」に)
 ECBは政策金利の据え置きを決めた。ラガルド総裁は金融政策の先行きについて中立の姿勢を強調。ただ、市場の多くは依然として次回9月会合での追加利下げを予想している。
 ラガルド総裁は、政策金利の方向性は「事前に決めていない」と言明。9月会合で何をするかは「幅広く開かれている」と述べ、さまざまなデータに基づいて利下げの是非を判断する考えを改めて示した。
 一方、低調な製造業に触れ、「短期的には均衡している」としてきた景気に対する評価を「下向きに傾いている」に修正。また、5月に見られたユーロ圏の消費者物価指数の上昇加速は「一時的」だったとして、9月の利下げに含みを持たせた。
  これまで注目してきたサービス価格の高止まりの要因である賃金上昇に関しては、高インフレに伴う消費者の購買力低下を補うと説明。賃金上昇はまだ進むものの、「最も影響が大きいのは2024年」で、上昇傾向は「25年、さらに26年には大幅に鈍化」し、26年前半にはECBの掲げる2%のインフレ率目標に見合った水準に戻るとみている。

(景気期待指数弱い)
7月のユーロ圏景気期待指数は43.7で前月の51.3から低下、予想の48.1を下回った。ドイツ景気期待指数は41.8となり、前月の47.5から低下し、予想の42.3を下回った。フランスの政治やECBの金融政策を巡る不透明感が原因だと指摘した。

(今後はGDPとCPI)
 今週より来週の指標に注目が集まる。7月30日に2Q・GDP、31日に7月消費者物価の発表がある

(トランプ氏再選なら欧州企業収益の伸び消える可能性)
ゴールドマン・サックスによると、トランプ氏が米大統領選で再選された場合、2025年の欧州企業の収益の伸びが「消える」可能性があるとした。トランプ氏が公約に掲げている輸入関税が要因。
トランプ氏は再選された場合に全ての輸入品に10%の関税を課すと述べ、世界の市場で懸念が広がっている。 ゴールドマンは、この措置が実施されれば欧州の域内総生産(GDP)を1%減らす可能性があると指摘。欧州企業の利益の約10%が失われると試算した。

*ポンド「通貨首位(首位)、株価12位(11位)、ポンド最強、利下げへの決定打なし」
(ポンド年初来最強通貨を維持)
 ポンドは7月月間は介入して強くなった円に次いで2位、年間では首位を維持した。10年国債利回りは4.13%、FT株価指数は年初来5.46%高。

(6月消費者物価は、サービス部門が強い)
6月の消費者物価は前年同月比2.0%上昇し、伸び率は5月から横ばい。予想の1.9%上昇を上回った。基調的な物価上昇圧力は依然として強く、英央銀が8月、2020年以来の利下げに踏み切るとの観測が後退した。
今年に入ってからの英経済の回復は、サービス業がかなり高い水準のインフレを生み出している、英中銀が今年利下げに踏み切る余地が限られている。

(3-5月の賃金上昇率)
 3-5月の賃金上昇率は前年同期比5.7%と、2-4月の6.0%から鈍化した。ただ、英中銀の2%インフレ目標の持続的な達成にはなお高すぎると通常考えられる水準にとどまった。

(7月消費者信頼感指数)
7月の消費者信頼感指数はマイナス13、6月のマイナス14から小幅改善した。2021年9月以来の高水準となったが、予想のマイナス12は下回った。 高額な購入に対する消費者の意欲を表すサブ指数が7ポイント、個人財政評価を表す指数が2ポイントそれぞれ改善したことは、小売業者に朗報かもしれないと指摘した。

ただ経済に対する心理は変わっておらず、新政権が経済全体と個人の財政に具体的にどう影響するかを正確に見極めようと人々が待ちの姿勢となっているようだ

(ハト派のディングラ委員の主張変わらず)
 英中銀ディングラ委員は、インフレ率が再び急上昇する可能性は低いと述べ、借り入れコストを引き下げるべきとの考えを示した。「今こそ金利正常化を始めるべき時であり、そうすればインフレ率を押し下げるための取り組みに伴う生活水準の低下にようやく終止符を打つことができる」と語った。ディングラ氏は2月以降、金融政策委で利下げに票を投じており、最近ではラムスデン副総裁も同調。しかし、政策委の他の7人のメンバーの主張で金利据え置きが続いている。 市場は、8月1日の次回会合で0.25%ポイント利下げする可能性をほぼ半々とみている。

*豪ドル「通貨5位(4位)、株価14位(16位)、対円、対ドルで弱い。月末のインフレ指標待ち」
(対円、対ドルで下落)
 豪ドル円は円買い介入後、109.369から一時104.516まで下落。一方豪ドルドルも0.6798から0.6697まで下落した。対円で2週連続週足陰線。対ドルで6週ぶり週足陰線。現在は月間6位、年間5位。10年国債利回りは前週末の4.3%から4.33%へ若干上昇。豪株価指数(全普通株指数)は年初来2.35%と冴えない。

(6月の雇用統計は利上げの決定要因には力不足)
 6月の雇用統計は、就業者数が予想より大幅に増加したが、求職者が増えた影響で失業率が上昇するなど強弱まちまちで、追加利上げの必要性を決め打ちは出来ない結果となった。
就業者数は前月比5万200人増加と、予想の2万人増を上回った。フルタイムの就業者数は4万3300人増と、2カ月連続で大幅増となった。失業率は4.1%と、前月の4.0%から上昇。市場は8月にRBAが利上げするとの見方にやや傾き、スワップが示唆する確率は20%と、発表前の12%から上昇した。

(政策金利決定までのポイント)
 今週は7月製造業・サービス業PMIの発表がある。6月はいすれも悪化していた。月末には2Qと6月の消費者物価が発表されRBAの政策金利決定の大きな手掛かりとなる。

(財政は健全)
 チャルマーズ財務大臣は2024年6月(23/24年度)までの財政収支は、前年度に引き続き黒字となると述べた。公式統計は9月に発表される。「労働党政権が2度目となる約15%の黒字を予想することはすでに十分にわかっている。これは過去最大の連続黒字となる可能性がある」と語った。これは国債発行額の減額要因で、需給的には金利低下となる。

(引き続き、最大貿易相手国の中国の経済指標が弱い)
 引き続き、最大貿易相手国の中国の経済指標が弱い。6月消費者物、6月の中国貿易統計の弱い輸入に続き、2Q・GDPも予想の前年比5.1%増から4.7%増へ減速した。1Qは前年比5.3%であった。
中国の消費が盛り上がらなければ豪からの輸出の増加も見込めない。

*NZドル「通貨8位(8位)、株価18位(17位)、7月は月間最下位と弱い」
(7月はここまで月間最弱)
 対円、対ドルで弱い。7月は月間最下位、年間では8位。10年国債利回りは前週末の4.52%から4.4%へ低下。NZ50株価指数は年初来マイナス0.45%

(弱いCPI、利下げが早まるか)
 2Q消費者物価(CPI)は3年ぶりの低い伸びとなった。インフレターゲットの上限に近づき、年内の利下げ観測が強まった。CPIは前年比3.3%上昇と前期の4.0%上昇から鈍化し、予想の3.4%上昇も下回った。中銀は年間インフレ率を3.6%と予想している。 中銀は、政策金利を8会合連続で5.5%に据え置いた。同時に、制約的な金融政策によりインフレ率が大幅に鈍化したと指摘。今年後半に1-3%の目標レンジに戻るとの見通しを示した。
 来年2月の利下げが予想されていたが、発表後、中銀が11月に利下げに踏み切るとの見方が強まっている。

(他にも弱い指標)
6月のREINZ住宅価格指数は前月比0.3%下落し、販売が大幅に減少した。これに先立ち、ANZは2024年の住宅価格伸び率予想を3%から1%に引き下げたばかりだった。
6月の製造業業績指数は41.1で、前回の47.2から悪化、サービス産業業績指数は40.2で、前回の43から悪化した。

(今後の指標)
 今週は6月貿易収支の発表、2か月連続黒字となるか。今後は7月消費者頼感指数、企業信頼感指数、8月7日の雇用統計を経て、8月14日の政策金利決定となる

(軍縮までしても財政改善へ)
 NZ軍は、1億3000万NZドルの予算不足を補うため、文官向けに退職パッケージを提示したほか、他の削減も行う方針を明らかにした。