8月5日の日経平均株価の終値が前週末比で4451円安の3万1458円となり、1987年10月19日に起きた米国株安を発端とした世界的な株価大暴落「ブラックマンデー」以来の下げ幅となった。下落率は12.4%だった。米国の景気減退への懸念や円高ドル安の加速など、株価急落にはいくつかの要因があると見られている。
ファッション&アパレル関連の82銘柄も軒並み影響を受け、8月2日と8月5日の株価の終値を比較するとほぼすべてとなる81銘柄が下落した。インバウンド需要の恩恵で2024年3月期の通期連結決算が増収増益だった三越伊勢丹ホールディングスの株価も、19.7%マイナスと約2割下落している。「ユニクロ(UNIQLO)」や「GU(ジーユー)」をグローバルで展開しているファーストリテイリングの株価も9.6%下落した。各社の下落率は別表にまとめた。
東証プライム市場でも全体の99%の銘柄が下落したが、こうした中で唯一、株価が上昇したファッション&アパレル関連企業があった。バッグや財布などの小売専門チェーン「サックスバー(SAC'S BAR)」などを手掛けるサックスバー ホールディングスだ。8月2日に758円だった終値が8月5日には773円の終値で取引を終え、上昇率は2.0%だった。
サックスバー ホールディングスの2024年3月期の通期連結決算は、売上高は520億9300万円(前年比10.3%増)、営業利益は37億6400万円(同51.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は24億8700万円(同92.6%増)と大幅な増収増益だった。コロナ禍が収束したことでトラベル需要を取り込んで業績を伸ばしている。
株式市場は不安定な状況が続くと見られているが、今後もファッション&アパレル関連銘柄を注視する。