本記事は、安部 哲也氏の著書『13歳からのリーダーの教科書』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
タスクを「見える化」しよう!
「見える化」の方法
タスク(やること)や優先順位を「見える化」することは、タイムマネジメントを改善し、効果的な目的・目標達成につながります。
次のようにやってみましょう。
1. タスクリスト(To Do リスト)の作成
タスクを紙に書いたり、スマートフォンに入力して、リストを作成します。このリストにすべてのやることや活動を含めます。
2. カレンダーの活用
カレンダーアプリや手帳を使って、スケジュールを見える化します。予定やしめきり日をカレンダーに記入することで、タスクの管理がしやすくなります。
3. 進捗バーやチェックリストで確認
タスクの進捗をバーに表示したり、チェックリストを使ってタスクの完了状況を確認したりします。これにより、未完了のタスクがひと目でわかります。
4. デジタルツールの活用
タスク管理アプリやプロジェクト管理ツールを使用すると、効率よく、タスクを「見える化」できます。これらのツールは通知やリマインダーも設定でき便利です。
なぜ作業を「見える化」するの?
作業を「見える化」することは、目的や目標を達成しやすくし、効率を高め、自己管理スキルを向上させるというメリットがあります。
例えばタスクや予定を一覧にできるため、何をいつやるべきかを明確に計画できます。これにより、忘れ物やしめきりに対処しやすくなります。
また、見える化することで、どの作業が優先されるべきかが分かります。優先順位を決め、時間を無駄にしないようにできます。予定が明確になることで、タスクに追われるストレスを軽減できます。予期せぬ出来事にも柔軟に対応できます。
「やることが多すぎる」と感じているとき、見える化することで整理ができ、何から取り組めばよいのか、何をやらないのかが見えてきます。
生活の中で実際に使ってみよう
「見える化」は日常生活でも活用できます。宿題のしめきり日などをカレンダーやToDoリストに記入することで調整がしやすくなり、例えば趣味と勉強のバランスを保つのにも役立ちます。
ほかにもだれが何を担当するかをみんなで見られるようにすることで、家族や友だちどうしで何かを準備するとき状況を把握しやすくなったり、何にどれくらい取り組むかを見える化することにより、バランスの取れた計画作成が可能になります。
このように「見える化」は、日常生活を整理し、計画的に過ごすための有効な手段です。これにより、タスクの管理が楽になり、自己管理スキルが向上します。
また、ストップウォッチやスマホのタイマー機能を使っての時間管理も効果的です。例えば、タイマー設定で25分間やることに集中し、5分間休憩するというような形です。
これらの「見える化」のスキルを勉強やクラブ活動、その他の活動に活用してみましょう!
失敗を成功に変えるPDCAサイクル
失敗を成功に変える方法
PDCA サイクルって聞いたことがありますか? これは、何かの計画をすすめるときに、より確実に目的・目標達成に近づくための4つのステップです。PDCAサイクルをまわすことをおぼえたら、勉強やクラブ活動などいろいろな場面で役に立つでしょう。
PDCAサイクルとは以下の4つのステップをくり返すことをさします。
1. Plan(計画)
まず、何が問題なのかを明確にします。そして問題を解決するための具体的な目標と計画を立てます。
2. Do(行動)
目標と計画に基づいて実行します。目標・計画の達成に向けて、着実に実行しましょう。
3. Check(確認)
実行した結果を確認します。目標・計画に対して、どのくらいできたのか。具体的に何ができたのか、何ができなかったのかを明確にします。
4. Action(対策)
結果に基づいて問題発見し、原因を分析して次への改善策を立てます。
PDCAサイクル活用の事例
例えば、学校で発表会があり、スピーチをすることになったとします。練習しているのになかなか上達しない。そのようなときこそPDCAサイクルの出番です。
Plan(計画)
問題の発見:なぜスピーチが上達しないのか、問題を発見します。
目標の設定:次回の発表で自信を持ってスピーチすることを目標にします。
行動プラン作成:毎日、練習時間をとり、友だちや先生に毎回フィードバックをもらうことを計画します。
Do(行動)
行動プランに基づいて実際にやってみる
計画通りにスピーチの練習を行い、友だちや先生にフィードバックをもらいます。そして、フィードバックを参考にスピーチを改善していきます。
Check(確認)
結果の確認
実際の発表でスピーチが改善されたかを確認します。自己評価や友だちや先生からのフィードバックをもらいます。
Act(対策)
対策の実施
成功した場合、次回も同じ方法を続けます。失敗した場合、新たなアプローチを考え、友だちや先生からアドバイスを受けるなどの対策を実施します。
このようにPDCAは、失敗から学び、成功をつかみとるために役立つ方法です。ぜひ実践してみてください!
客員教授聖心女子大学国際交流学科非常勤講師。福岡県生まれ。修猷館高校卒業。中央大学法学部卒業。BOND大学大学院 経営管理学修士課程(MBA)修了。パナソニック国内・海外部門にてシステムエンジニア、営業、マーケティング、企画、海外(香港)駐在など、リーダーシップ、マネジメントを経験。2002年、企業向け人材開発・コンサルティング会社EQパートナーズ(株)を設立。社長として同社を経営し、チーフコンサルタント・講師として、NTT、NTTドコモ、パナソニック、東芝、キオクシア、NEC、損保ジャパンなどで、経営者向け・次世代リーダー研修、女性リーダー研修、部課長・主任向けマネジメント研修などを多数実施。2005年より立教大学大学院ビジネススクールにて、リーダーシップ理論、起業家理論、交渉理論、修士論文指導などを担当。主な著書に『新版 課長の心得』『世界標準のリーダーシップ』(どちらも総合法令出版)、『World-Class Leadership』(World Scientific)