株式会社ワンキャリア
(画像=株式会社ワンキャリア)
長澤 有紘(ながさわ ありひろ)――取締役副社長 執行役員COO兼CHRO
京都大学大学院農学研究科卒業。2011年にIT系ベンチャー企業に入社。WEBマーケティング業務、セールス業務に従事した後、2014年に株式会社トライフに入社。2015年よりワンキャリアの取締役COOとして、マーケティング、開発、営業の各部門の事業責任者を歴任した後に、2019年に管理部門管掌取締役に就任。2020年に取締役副社長に就任、2023年より現職。
2015年設立、2021年10月に東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)に上場。「⼈の数だけ、キャリアをつくる。」をミッションに掲げ、個⼈・企業が仕事選びに関するあらゆるデータを利⽤できるプラットフォームとして、新卒採用メディア「ONE CAREER」、中途採用メディア「ONE CAREER PLUS」、人事向け採用クラウド「ONE CAREER CLOUD」を展開。これらのサービスを通じて、すべての個人のキャリアに向き合い、キャリアデータを結集し、多様化する世の中において採用マーケットのアップデートを目指している。

目次

  1. これまでのご経歴や現在の事業について
  2. 貴社におけるNo.2の役割について
  3. No.2が意思決定の際に重要視をしている点について
  4. No.2の思い描いている貴社の未来構想について
  5. ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

これまでのご経歴や現在の事業について

——長澤様がご入社された経緯についてお聞かせいただけますか?

株式会社ワンキャリア 取締役副社長 執行役員COO兼CHRO・長澤 有紘 氏(以下、社名・氏名略): 私がこの会社に入社したのは2014年で、ちょうど10年になります。社会に出たのは2011年で、最初の会社はベンチャー企業で営業やWEBマーケティングを担当していました。就職活動していた際、将来経営者になりたいという気持ちがあったことから、実務能力がつきそうなベンチャーを選び、その会社で3年間働いたころに新しいチャレンジの機会を探るようになりました。また、私自身どうしてもやりたいことがなかったため、漫然と転職を考えていました。

ちょうどその時、今の会社の代表である宮下から誘われました。彼は高校時代の部活の先輩で、20年以上の付き合いがあります。この会社は、もともと彼が大学生の時に立ち上げた学生団体が発展したもので、私もその団体の運営に携わっていたことから、自然な流れでこの会社に戻ってきた形です。タイミング的にはプライベートの環境の変化も重なり、良い機会だと思い、社長の誘いを受けました。

——長年の信頼関係が、会社へのジョインを決める大きな要因だったんですね。

長澤:そうですね。高校時代から続く上下関係もありますし、ビジネスの損得を超えた関係があるからこそ、うまくいっている部分があります。

——それは素晴らしいですね。ところで、長澤さん個人としては、「どうしてもやりたいことがなかった」というお話が印象的でした。逆にマルチになんでもできるという意味にも捉えられると思いますが、それは今も同じなのでしょうか?

長澤:はい、実は今でも「やりたいこと」という明確な目標は特にありません。20代の頃はそれをコンプレックスに感じていましたが、30代に入ってからは受け入れるようになりました。経営者として会社をスケールさせることや、ポジションに対してやるべきことはもちろんありますが、個人としての大きな野心は特にないんです。

——そのスタンスも非常に興味深いです。では、現在までの事業について詳しくお聞かせいただけますか?

長澤:弊社は、採用市場における「情報の非対称性」の解消を目指して創業しました。現在は「人の数だけ、キャリアをつくる。」をミッションに掲げ、採用マーケットにおいて、情報不足や地域間格差をなくし、求職者と企業が合理的に意思決定できる環境を提供することを目標に掲げています。採用に関わるあらゆるデータを集め、それをオープンにすることで、仕事を選ぶ求職者側にとっても企業にとっても、正しい判断ができるようにする。それが個人の幸福度にも関わりますし、企業の経営力強化や、最終的には国全体の人材配置の最適化にもつながると考えています。

株式会社ワンキャリア
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——創業期のビジョンが今も変わらず御社のビジョンになっているのですね。

長澤:はい、特に地方や中堅企業での採用活動においても、その格差を解消し、全ての求職者が平等に情報にアクセスできるようにすることが、我々のビジョンです。個人のキャリアは連綿と続いていくものですよね。例えば、1社目に金融機関に就職した場合、2社目に日系企業に行くか外資系に行くか、そうなったら次のキャリアパスはどうなるかといったような、新卒だけでなく中途採用や転職など、キャリア全体を連続的にサポートするサービスを提供していきたいと思っています。

貴社におけるNo.2の役割について

——次に、貴社におけるNo.2の役割についてお伺いしたいのですが、宮下社長との役割分担など、どのようにお考えですか?

長澤:そもそも、No.2に求められる条件や役割は、会社のフェーズやトップがどのような人物かによって大きく変わってきます。私自身は、特定の専門性があるわけではなく、幅広くいろいろな業務に対応できるタイプです。これまでにCOOとしてマーケティング部門や営業部門などを、CFOのように管理部門を管掌するなど、様々な役職を経験してきました。直近ではCHROも担当しており、現在は新規事業である中途採用事業の事業部長を兼任しています。このように、その時々で経営に必要な部分を埋めていくのが私の役割です。

——なるほど、まさに「何でも屋」としての役割が求められているんですね。

長澤:はい、特に経営のフェーズによってやるべきことが変わります。たとえば、上場に向けてはコーポレート部門の責任者として、ガバナンスや資金調達などに集中しました。上場後は、組織が大きくなってきたため、CHROとして人事部門を立ち上げたりもしました。その時々で会社の最も重要な課題に対応する、それが私の役割だと思っています。

——それだけ多くの領域に渡って業務を行うのは大変だと思いますが、どのようにして新しい分野をキャッチアップしているのでしょうか?

長澤:基本的に3つのステップに分かれています。まずは自分自身で実務を行います。たとえば、経理や採用、人事など、それぞれの業務を最初に自分で経験し、現場を理解することから始めます。現場の人と会話ができるようになるため、そして現場で何が行われているか把握するためですね。そして、次にその領域に詳しい専門家やメンバーを採用して、組織を構築します。最後に、外部のブレーンを呼び込んで、その分野のアドバイザーとして支援してもらうことで、判断の質を担保します。

私は自分が特定領域のプロフェッショナルになることを目指すのではなく、組織を立ち上げて運営できる仕組みを作ることにフォーカスしています。最終的には、後継者を探し、組織を引き継いで、次の重要な領域へ移るというサイクルを繰り返している形です。

No.2が意思決定の際に重要視をしている点について

——次に、長澤さんが意思決定の際に重要視している点についてお聞かせいただけますか?副社長としての意思決定と、プライベートでの意思決定、両方の側面からお話いただけると嬉しいです。

長澤:仕事においては、基本的に私は合理的なアプローチを取っています。意思決定はすべてデータや経済合理性に基づいて行うのが基本です。役員同士で意見が分かれることはあまりなく、領域ごとにお互いの役割分担が明確に決まっているので、自分の担当分野においては自分で最終決定をします。ただ、最終的に社長と意見が対立した場合は、彼の意見を尊重しますね。

——なるほど、領域に応じた役割分担がなされているんですね。では、プライベートでの意思決定はどのように行っていますか?

長澤:プライベートでは、基本的に誰とも相談せず、自分で決めてしまうことが多いです。家族にも事後報告することが多くて、時々怒られます(笑)。私は物事を決める際、全ての情報を集めてから判断したいタイプです。たとえば、何か買い物をする際も、スプレッドシートに商品を並べて比較してから決めます。そのため、例えばアウトレットモールなどに行っても「衝動買い」をすることはまずありません。複数の店舗を見て、最終的に一番納得のいくものを購入するという感じです。

——徹底した合理性がプライベートでも反映されているんですね。それだけ情報を集めて判断されていると、奥様からも反対されることは少ないのでは?

長澤:いえ、感情的な面を考慮していないことが多いので、家族からは「勝手に決めないでほしい」と言われることも多々あります。ただ、家族の心が広いこともあって、最終的にはなんとか受け入れてもらえることが多いですね。やっぱり理屈に基づいて判断するのが性に合っているようです。

——合理性を重視される姿勢が一貫しているのが印象的です。ところで、決算資料などを見ていると、御社の育休取得率が非常に高いのが印象的でした。

長澤:そうですね、男性の育休取得率は特に高い数字となっています。我々の会社は創業当初から家族や子供を大切にする文化が根付いています。私自身も早くに結婚し、子供がいますし、経営陣も同じような背景を持っているので、育休に対する理解は当然あります。特に推奨しているわけではないですが、結果的にそうなっているという感じですね。

No.2の思い描いている貴社の未来構想について

——次に、御社の未来構想についてお聞かせください。2026年までに売上100億円、営業利益30億円という目標を掲げられていますが、その先について、HR領域全体でどのようなサービスやビジョンをお持ちでしょうか?

長澤:まず我々が目指しているのは、「働く」という領域におけるデータプラットフォームの確立です。これは採用だけに留まらず、タレントマネジメントやキャリア教育など、人に関わるあらゆる領域でシナジーを生むことができると考えています。すべての取り組みにおいて、データが価値創出の起点となる、というフィロソフィーは変わりません。

——データを基軸にしたHRプラットフォームということですね。

長澤:未来構想の中心にあるのは、働くキャリアに関するデータを有機的に結びつけていくことです。新卒、中途、そして転職を繰り返す中で、それらをデータとして一貫して活用できるプラットフォームは日本には存在していません。グローバルではLinkedInなどのSNSが個人データを蓄積していますが、日本ではそのようなシステムが整っていないのが現状です。

売上100億円や営業利益30億円という目標は、あくまでクリアすべき初期の目標であり、その先にあるビジョンを常に見据えています。

——そのビジョンが実現できれば、国内外のHR市場に大きな影響を与えることになりますね。

長澤:そうですね。我々は単なる採用支援の枠を超えて、働く人々にとってより良いキャリア選択ができる世界を実現したいと考えています。これができれば、事業規模をさらに拡大し、日本だけでなく世界に向けてシェアを広げることも十分可能だと思っています。

ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

——最後に、ZUU onlineユーザーや投資家の皆さんに向けて、一言お願いします。

長澤:弊社は今後も事業の成長をしっかりと続けていきます。2018年12月期から2024年12月期までのCAGR(年平均成長率)で、+40%の成長プランを掲げてきました。今後も高い成長率を維持しつつ、さらなる効率化を図っていきたいと考えています。特に利益率の改善や、事業運営の効率化にはまだまだ改善の余地があると思っています。現在、規模も急速に拡大しており、毎年100名以上の新規採用を続けている状況ですので、しっかりと成長に向けた投資も継続して行っていきます。

投資家の皆さんが特に気になる点として、PL(損益計算書)ではなくBS(貸借対照表)をもっと有効に活用して、事業拡大や投資にどうつなげていくのかという疑問があるかと思います。特に資金調達後の資金の使い方や配当についてのご質問もよく受けますが、もちろんM&Aや新規事業への投資など、今後も積極的に展開していく予定です。全てを自前で行うのではなく、他社との業務提携や協力を通じて事業を拡大し、新たな戦略を模索していきたいと考えています。

これからも皆さんのご期待に応えられるよう、全力で取り組んでまいります。引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。

——本日は貴重なお話をありがとうございました。

氏名
長澤 有紘(ながさわ ありひろ)
社名
株式会社ワンキャリア
役職
取締役副社長 執行役員COO兼CHRO

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