本記事は、松本幸夫氏の著書『だから思考は現実化する』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
潜在意識への「刻印」のヒント
願望の潜在意識への「刻印」について、ここでは、さらに参考、ヒントとしていくつかのことをつけ加えておきます。
瞑想時に願望のインプットを行うのですが、このときには五感を用いて、音や動き、香り、手ざわりなどを合わせてイメージするとよいのはすでに述べた通りです。
それは、別の言い方をしたなら「リアルさの追求」といってもよいでしょう。
イメージを現実そのもの、リアルなものだと感じるかが、その実現への鍵となってきます。
基本的に、潜在意識は、「本当だと信じたこと(イメージ)」と、「現実」とを区別しないものです。この双方を、「現実」としてとらえる傾向があります。
だから、「願望のインプット」については、様々な「イメージを現実と思わせる工夫や手法」があるのです。
わたしは20歳のときに、当時著名であったヨガの先生の付き人をしていたことがあります。その先生は名古屋の人だったので、東京でテレビの収録がある、というときカバン持ちをしたものです。
先生は当時30代前半でしたが、「マーフィー」の説くような潜在意識についても面白い技を実践していて、身近にいてわたしも大変勉強になりました。
潜在意識への願望の刻印にしぼって、3つのエピソードをご紹介したいと思います。
1. チャンネルを替えろ!
ヨガ道場での話。ちょうどテレビニュースをやっているところで、先生と生徒たちが会話していました。
すると、ニュースで突然、火事のニュースが流れ始めました。そのとたんに、先生が、テレビの近くにいたわたしに向かって「松本、チャンネルを替えろ」と言うのです。
「そんな否定的なニュースを見ていると、潜在意識に入ってしまうから」と言うのです。メカニズムとしては、そのインプットされた「マイナス」「否定的」なものに合った現象が、現実の自分に起こるということです。
これは、わたしたちが意識へ願望をインプットするときに忘れてはならないことです。
特に、「何気なくニュースを見ているとき」「仲間と気楽に会話しているとき」というのは、理性の力が弱まっていて、最も潜在意識の受け入れ態勢が整っている瞬間のひとつです。だから、その「マイナスイメージが入る」と思った瞬間に、それをインプットさせない工夫が必要になります。
最近では「SNS」から「マイナスイメージ」が入りやすくなっているので、「マイナス」のことを発信する人はミュートするなどし、工夫をする必要があるでしょう。
これは「テレビ」のみならず、自分の思考のチャンネルをマイナスからプラスに切り替えることと思ってほしいです。
2. 睡眠学習という信念強化
名古屋から東京へ出張してきていた先生は、「今から15分眠るから」と言って、道場で横になり、アイマスクをすることがありました。あるとき、いつものようにアイマスクをしたが、耳にはイヤホンもしています。
「学習をする」ということでした。中容は、NHKのフランス語会話で、そんなに複雑なものではありませんでした。
しかし、「睡眠中に聞いた情報は、潜在意識に入っていき、学習効果があがる」という信念のもとに、その方法を行っているようでした。ここでは、「睡眠学習」が本当に効果があるかどうかということは、実はあまり大きな問題ではありません。
「これは効果がある」という信念のもとに行動をしたなら、やはりマーフィーの言うように「想いは現実をつくる」ので、本当にそれは現実になってしまうのです。
それから数カ月後、フランス語を全く知らなかったはずの先生が、道場に来たフランス人とフランス語で会話している光景を目撃しました。まさに、「信念は力」となるということです。
この短期間での語学力アップは、「睡眠学習は効果がある」という信念が原動力となったといえます。「睡眠学習」を他に置き換えて考えてみてください。あなたは、「信じた通りになれる」ということです。
3. ピンだらけの日本地図
東京道場の事務所には、大きな日本地図がはられていました。
ある時、その地図の至る所に、ピンが立てられていました。
「これは何ですか?」
「そのピンが立っている所に、これから道場の支部をつくるつもりなんだ」
「でも、まだ、東京は池袋のサンシャイン60と横浜の関内に支部があるだけではありませんか?」
「将来こうなると強くイメージするために、あえて日本地図にピンを立てて、目に見えるかたちにしたんだ」
やがて、そのピンは現実のものとなり、やがては、フランスやブラジル、韓国と台湾、オーストラリアと世界に広がり、現実化していったのです。貼られていた日本地図が、いつの間にか世界地図になっていたのは言うまでもありません。
そのわたしの恩師は、「現代ヨガ」を広め、日本中にブームを起こし、今は「自由人」として、著作に講演にと海外でも活躍しています。
頭の中だけで「イメージしよう」というのは難しいものです。そこで、この「地図」「ピンを立てる」というように視覚化することは、潜在意識へのインプットに大いに役立ってくれます。
また、「人物論」にも定評がある。
著書は『安岡正篤に学ぶ』(総合法令出版)、『できるリーダーの伝え方&語彙力』(三笠書房)などで、累計は220万部を超える。※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
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