本記事は、おさじままさ氏の著書『10人の東洋哲学者が教える ありのままでいる練習』(SBクリエイティブ)の中から一部を抜粋・編集しています。

「ルール」と書かれたブロックの塔を、倒れないように男性が支えている
(画像=アンドリー・ヤランスキー / stock.adobe.com)

宇宙視点で見てみる

日々の生活で、「得た」「失った」と一喜一憂することがあります。

もちろん、小さな積み重ねは大切なことです。

しかし、あまりにも不必要に執着してしまうことはないでしょうか。

他人を蹴落としてまで「得たい」と欲望をむき出しにし、実際それを手にしても、その幸せは泡のように消えてしまう。それなのに、その得たものを失うと、今度は怒り狂い、夜も眠れずいつまでもクヨクヨとしてしまう。

自分自身でも「こんな思いは手放してしまいたい」と思った時、次の5つのステップを試してみてください。

ステップ1 インターネットで検索して地球の写真を見つける
ステップ2 自分がどこにいるか探す
ステップ3 点以下なので見つからないことを確認する(笑)
ステップ4 自分が失った物を探す
ステップ5 またもやまったく見つからないことを確認する(笑)

ここでちょっと笑ってみるのもいいですね。口角を上げるだけで気持ちは相当かわります。

私もよく動画の準備中や、寝る前にやっています。元手もいらずすぐできるのでかなりおすすめです。笑ってみると、大きく感じていた問題も意外に小さいことだと気づき、いつまでもそこにとどまっているより、新たな一歩を踏み出したほうがいいなと思えてきます。

でももし、あまりにちっぽけすぎて、「自分などいてもいなくてもいいのでは」と思ってしまったら、当書2章のレッスン2に戻ってみてください。今度は、あなたの存在が大宇宙とつながっていることを思い出すことでしょう。

この本のレッスンは、それぞれ補完し合っているものが多くあります。その時その時、特に必要なものをやってみると、さらに効果を発揮します。

自分でルールを設定してみよう

私たちは日々、多くの「ルール」に囲まれています。

学校の規則、会社の規定、社会のルール。

もちろん、これらは秩序を保つために必要なものですが、本当にそれだけが正しい道なのでしょうか?

「このルールに従うことが本当に自分の幸せにつながるのか?」と、一度立ち止まって考えてみることも大切です。

ここで提案したいのが、「3つのル」を意識することです。

「ルール」「トラブル」「ゴール」、これら三つの言葉には共通して“ル”がついています。この3つを見直すことで、自分の生き方をもっと自由で楽しいものにできます。

1つ目は「ルール」です。これは「決められたルール」に従うのではなく、「自分で決めたルール」に従うことの大切さを意味します。世の中には、「いい大学に行けば成功」「大企業に就職すれば安泰」「結婚して子どもを持つことが幸せ」といった固定観念があります。

しかし、それは本当にあなたにとっての幸せでしょうか?

たとえば、あなたが「家族との時間を大切にしたい」と考えているなら、長時間労働の会社で働くよりも、時間に余裕のある仕事を選ぶほうが幸せかもしれません。周りの価値観に流されるのではなく、自分が大切にしたいものを基準にしてルールを設定することが大事です。

2つ目は「トラブル」です。トラブルというと、できるだけ避けたいものと思われがちですが、ここで発想を変えてみましょう。

ゲームを思い出してください。敵が一切出てこないRPGをやりたいと思いますか? ただひたすらフィールドを歩くだけで、ゴールに到達しても何の達成感もないゲームなんてつまらないですよね。トラブルがあるからこそ、乗り越えた時の喜びがあるのです。

人生も同じで、失敗や困難があるからこそ、それを乗り越えた時に成長し、達成感を味わえます。困難を「なぜこんなことが起こるんだ」と嘆くのではなく、「このトラブルをどう攻略しよう?」とゲーム感覚でとらえることで、不必要に苦しむことなく前向きに進めるのです。

そして3つ目が「ゴール」です。ただの義務として目標を達成するのではなく、「ワクワクするゴール」を設定することが大切です。

「やれやれ、やっと終わった」と思うようなゴールではなく、「やった!次は何をしよう!」と前向きになれるゴールを設定することが、人生を楽しくするポイントなのです。

たとえば仕事でも、会社から与えられたノルマをただこなすだけではなく、自分がモチベーションを感じられる目標をつくってみるのもいいでしょう。「○○のスキルを身につける」「この分野で専門家として認められる」といった、ワクワクするゴールを設定することで、成長の実感を持ちながら働けるはずです。

結局のところ、社会のルールに従うだけでは、本当の満足感は得られません。自分でルールを設定し、トラブルを乗り越え、ワクワクするゴールに向かって進むことで、自分らしい生き方ができるのです。

もし今、「なんだか生きづらいな」「何を目標にすればいいかわからない」と感じているなら、一度この「3つのル」を意識してみてください。

① 自分にとって本当に大切なことは何か?
② トラブルが起きた時、どうとらえれば楽しめるのか?
③ どんなワクワクできるゴールを設定できるか?

この3つを意識することで、あなたの人生はもっと生きやすく、楽しく、より 自分らしいものになるはずです。

10人の東洋哲学者が教える ありのままでいる練習
筬島 正夫(おさじま・まさお)
1970年長崎県に生まれる。
幼稚園の頃、戦争などの争いが絶えない世界に絶望感と無力感を覚え、みんなが幸せになれる道を探し始める。さらに高校時代、後輩の死を通して、良い学校を出て良い就職してお金持ちになれば幸せになれるという幸福観に大きな疑問を抱く。
キリスト系の関西学院大学社会学部に入学し、答えをキリスト教や西洋哲学に求めるも得られず、東洋哲学に目覚める。 世界の哲学・思想を比較する社会学を学び、浄土真宗の布教使として学んできたことを活かして令和6年フリーのユーチューバーとして独立。
すべてのお経を読破したうえで、東洋哲学の深い内容を中心に0から一気にわかりやすく解説し、チャンネル登録7万5,000人を突破。おさじー先生の名前で親しまれている。


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