◉言うは易し行うは・・・?

起業家ビザをまとめますと、年齢制限がなく、NZの経済発展に寄与しかつ自身の会社も利益をあげる事業を行うこと、となります。こうして書くと民間企業の経営者としてごく当たり前の条件に聞こえます。

また、前回の記事でも触れたとおりNZは外国人による投資を奨励しており、特にNZの最大都市オークランドは人種のるつぼで様々な人種・国籍の人たちが暮らしています。一説によるとオークランドで生活している人の実に2人に1人が英語を母国語としないそうです。もちろんビジネスを行う上で最低限の英語能力は必要となるでしょう。
しかし、例えば日本のような単一民族国家の中で日本語を母国語としない外国人が生活するのと比較した場合、はるかに居心地が良さそうに感じませんか?NZは人種・性別・宗教などによる差別を禁じてきた国でもあり、誰にでも公平にチャレンジする権利が与えられています。多民族国家としてのこれまでの歩みがそれを象徴しているのではないでしょうか。

《起業家ビザの承認状況》

NZ2-3

(申請者数、Ministry of Business, Innovation & Employment NZの公表レポートより抜粋)

◉ビジネスチャンスはあるのか

ここまでニュージーランドの永住権の一つ、起業家カテゴリーについて概略をお話させていただきました。

起業のチャンスとビザのオプションは平等に与えられていますが、実際NZにビジネスチャンスが存在するのか?という疑問をもたれる方もいらっしゃるでしょう。
今更ですがNZの概略を申し上げますと、日本の70%程度の国土に約440万人(自然増+移民流入超により継続して増加中)の人々が暮らしており、2012年GDP は1,690億米ドル、基幹産業は酪農・畜産などの第一次産業です。2012年貿易統計によると、輸出上位3品である酪農製品・肉類・木材の合計で全体の40%超を占めています。特に都市部ではインフラが整備され日本と遜色ない生活を送ることが出来ます。日系企業では自動車産業、食品産業、商社などが進出しています。在留邦人数はやや古い統計ですがおよそ13,000人、わずか0.3%未満の少数民族です。

さて、最初に戻って「NZにビジネスチャンスが存在するのか?」と言う問いですが、起業家の方にはぜひ実際にNZを訪れてその目で見極めていただきたいと思います。

次回はビザの最終回、専門的なスキルを持った人向けの「技能移民カテゴリー」についてお伝えします。

BY M.W

ニュージーランドではイミグレーション(入国・移民等)に関してアドバイスをするためには認可されたライセンスが必要です。本寄稿は一般的な情報の提供を意図しており個別のアドバイスを行う目的はありません。

【参考文献】
New Zealand Now
Immigration New Zealand
Ministry of Business, Innovation & Employment NZ
Trading Economics
JETRO

photo credit: Light Knight via photopin cc