アカディアン
(写真=押田裕太)

3月2日、米国資産運用会社アカディアン・アセット・マネジメントは、日本でのオフィス開設を記念して、メディア関係者を招待した限定セミナーを開催した。

同社CEOのチャーチル・フランクリン氏は「アカディアンは1988年に日本で投資を始めて以来、アセットベースを着実に増やしてきました。我々は常に新しい方法でビジネスを捉えようとしており、重要なのは日本市場の声に耳を傾け、情報を収集し、対応することだと考えている。日本に適したソリューションを提供したい」と日本オフィス開設の意気込みを述べた。

日本経済については「アベノミクスはポジティブ。日本経済は、徐々に安定し改善していくと予想。円安と原油価格の低下により日本企業の競争力はさらに強化される」と日本経済を捉えており、同社のグローバルポートフォリオにおける日本株のウェイトはほぼ中立、今後は若干のオーバーウェイトを予想している。

日本株市場は、銘柄数も多く幅広く厚みもあることから、株式選択において多くの機会を提供してくれる重要な市場だとして同社は捉えており、その中でも中小型株のセクターに多くの投資機会があると見ている。アベノミクスによる改革も俊敏な中小型株の企業にとってプラスとなるとしている。

アカディアン・アセット・マネジメントは英金融グループのオールド・ミューチュアルの資本傘下にあり、1986年に創設された米SEC登録の運用機関。顧客預かり資産額は約8.5兆円(内、日本の顧客からの預かり資産は約1,550億円)、世界29か国の127の企業、公的機関、SWF、基金・財団法人等の顧客を擁する。本社はボストン、他の拠点はロンドン、シンガポール、合弁事業のシドニー。

2014年11月に日本での金融商品取引業者としての登録を完了し、今後日本で展開を図っていく。東京のオフィスは英語圏以外で初となる。

運用は、世界の60市場にて4万銘柄をユニバースとして、ボトム・アップ、トップ・ダウンの両アプローチにおいて、バリュー、グロース、テクニカル等のマルチ・ファクター分析を中心にシステマティックに行われる。ポートフォリオ構築の前段階で、個別株のリターン、リスクに加え、取引コスト、流動性等も予測・評価するとのこと。

株の運用対象は、グローバル、非米国、エマージング、欧、日、北米、フロンティアの各地域で、ロング・オンリー、マネージド・ボラティリティー(低ボラティリティー)、ロング/ショート(130/30、市場中立型を含む)等、ヘッジ・ファンドを含む様々のスタイルを持っており、他に、エマージング現地通貨建て債券もある。

最近は、Institutional Investor紙より、International Strategies 部門にて受賞を果たしている。

同社ポートフォリオマネージャーを務める山崎博章氏は、同社が採用する『マネージドボラティリティ戦略』について「絶対リターンベースのブレが低いなかで、なるべく高いリターンを目指していく。キーとしては”低ボラティリティ”。ボラティリティが低いとリターンは低いのでは?と考えられがちだが、ポートフォリオはマーケットキャップのベンチマークと比較しても同等以上のリターンが期待できる。グローバルでも実績は比較的良好」と今後について話した。

(ZUU online)

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