小規模宅地の特例,住宅資金贈与
(写真=Thinkstock/Getty Images)

2015年度の税制改正大綱について「相続税増税の色合いが濃い」との一般的な評価が多かった一方、節税メリットが大きい「住宅資金贈与の期間延長・非課税枠拡充」案も盛り込まれた。

これは、2014年度末まで最大1,000万円が非課税とされていた住宅資金贈与が、2015年度以降も延長されると共に、限度額も段階的に引き上げられ、2016年度の秋から1年間は最大3,000万円になるというもの。

この制度はその額の大きさから各メディアで取り上げられることが多かったが、相続対策として必ずしも「住宅資金贈与の期間延長・非課税枠拡充」を適用するのがベストとは限らない。他の優遇策と比較してメリットがある場合のみ採用するのが望ましいのだ。ここでは具体的にどのような枠組みでこの制度を検討すべきかを考えていきたい。


2016年度10月から最大3,000万円の非課税贈与

はじめに税制改正大綱に入れられた「住宅資金贈与の延長・非課税枠拡充」案の概要を簡単に解説しよう。

延長・拡充の対象となっている住宅資金贈与は、受贈者(子や孫 )がマイホームを取得する際、贈与者(父母や祖父母 )が限度額内の資金を非課税で援助できるというものである。贈与を受ける側の条件は「20歳以上であること」「年間所得2,000万円以下であること」などであり、対象者が多く、条件が緩やかなことから利用しやすい制度といえる。

2014年度末の時点の非課税限度額1,000万円が2015年度も継続され1,000万円(省エネ等住宅は1,500万円)、2016年度は「1月〜9月の間が700万円(省エネ等住宅は1,200万円)」、10%への増税時には「10月〜翌2017年度9月の間は2,500万円(省エネ等住宅は3,000万円)」になる予定だ。消費税が10%になるといわれる2017年春と前後するタイミングで限度額がピークを迎えるというのが現時点での構想である。