既に主要投資筋はギリシャのユーロ離脱を織り込み済み

米国のゴールドマンサックス、ならびにモルガンスタンレーは相次いでギリシャの離脱、Grexitの可能性が高いとレポートを発表しており、3月末にはウォールストリートジャーナルの取材に答え、ウォーレンバフェット氏がギリシャの離脱は50対50で、いずれにしてもギリシャの負け試合であるなどとコメントを出して話題になっている。

ユーロの為替相場が大きく下落しないのも、こうした主要投資筋がかなりギリシャ離脱を織り込み始めているためであると見る向きも多くなっている。IMFの公表しているデータによれば4月の債務が乗り切れても5月、6月と引き続き債務返済は次々とやってくることとなり、7月にはその額が最高潮に達する予定であることから小手先の対応では乗り切れないと判断する投資筋が多いのが実情だ。


実は離脱の正式なプロセスがないEU

このギリシャ離脱説が高まるなか、実に興味深いのは、実はEUというのは加入のプロセスはしっかり定義されているのだが、離脱というのは当初から想定されていなかったため、正式離脱には法的な手続きをこれから制定することが必要となり、加盟各国の承認なども必要となることが予想されていることだ。

つまり正式離脱という状況が決まるまでにはかなりの時間がかかることが予想される。したがって、前述のようにEU,IMFからの支援が受けられず、自国通貨を発行してもデフォルトが確定した段階で、事実上のEU離脱状態となることも考えられ、このままでいくと意外に結果は簡単にでてしまうことも考えられる。


ギリシャ離脱で為替にはあく抜け感も

おそらく事実上のギリシャEU離脱が決定となった段階では、ユーロは一定の下落を伴うものと考えられるが、その後はあく抜け感から買い戻される可能性が高いと見る専門家が多く、当初叫ばれてきたような大きなリスクにはならなくなってきていることが伺われる。

EU諸国への債務条件と国民対する公約との間で、ぎりぎりの綱渡りを続けるチプラス政権はこの状況下で果たしていつまで継続することになるのか、いよいよ大詰めを迎えようとしている。(ZUU online 編集部)

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