次代の日本経済の牽引役としての期待がかかるロボット産業。空を飛ぶ小型のロボットであるドローンから、肉体的な作業を多く必要とする介護士を支援するロボットの開発をさまざまなメディアが取り上げている。国内でもさまざまなベンチャーが開発を進めており、その需要を取り込み、新たなビジネスの立ち上げに躍起になっている。

例えば、ウェブ会議システムの開発、販売などを行うブイキューブ <3681> もロボットベンチャーに出資を決定。今後のドローン開発に資金を投入しているのが現状だ。ほかにも、さまざまな企業やベンチャーキャピタルがロボットベンチャーへの参入を狙っている。

日本政府も経済・成長戦略からロボットの産業化を支援しており、ロボット革命実現会議を設置。安倍晋三総理らが主導して、ロボット産業を支援する姿勢を鮮明にさせている。同会議の成果もすでにまとめられており、経済産業省も「ロボット新戦略」などとして推進する構えで、その一つの施策がロボット産業を支援する特区の設置だ。

この各地でロボットの産業化や導入が進む中で、さまざまな自治体に入りこんでいるベンチャー企業が、Cyberdyne <7779> だ。同社はこのほど、子会社の鈴鹿ロボケアセンターが、鈴鹿市の福祉ロボット推進事業を受託することを明らかにした。同事業の内容である「一般市民向け体験講座や講演会などの開催」「新たなヘルスケアサービスの担い手育成」「福祉ロボット訓練施設を増やす取り組み」の推進を担当する構えだ。

同社は、2004年に筑波大学発のベンチャーとして設立された経緯があり、ロボットベンチャーとして注目されており、介護用ロボットの開発を手掛けていることもあり、多方面から注目を集めているところだ。

Cyberdyne の本社が立地するつくば市も「つくば国際戦略総合特区」に選択されており、構造改革の重点推進地域に指定されている、日本の国際競争力の強化や経済活動の拠点形成をめざす観点からも重要だと言えそうだ。

さらに、同社は神奈川県とも、ロボット開発で足並みをそろえている。その一環として、4月17日には神奈川県と、ロボットスーツ「HAL」などのイノベーションや新産業の創出を推進する覚書を締結することが発表された。それだけではなく、福島の郡山にも同社の拠点が立地。すでに、Cyberdyne は11億8000万円を同拠点の整備に投資する意向を示しており、同事業に「福島医療・福祉機器開発・事業化事業費補助金」が交付されることも明らかになっており、さまざまな自治体に Cyberdyne が入り込んでいる様子だ。

昨年の秋に帝国データバンクが公表したロボットベンチャーの経営実態調査の結果によると、「医療・介護・福祉」向けのロボットを開発するベンチャーが最も多く、調査対象となったロボットベンチャー全体の32.7%で最多だった。主なロボットベンチャーとしては、Cyberdyne のほかに、人が乗り込むロボットスーツの開発を目指すスケルトニクスなどが挙げられた。ほかにも、イノフィスやグーグルに買収されたSchaft、アクティブリンクなどが注目の企業となっている。(ZUU online 編集部)

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