新関西空港
(写真=Thinkstock/Getty Images)

関西国際空港の2014年度国内・国際線旅客数は前年後比10.5%増の2,004万人となり、2000年度以来14年ぶりに2,000万人を突破した。このうち、国際線を利用した外国人旅客数は41%増の699万人で過去最多に。減少の日本人旅客数(630万人)を初めて上回った。訪日客に対するビザ発給条件緩和やLCC(格安航空会社)の就航で旅客者数が好調に推移する中、同空港を運営する新関空国際空港会社は大阪(伊丹)空港とセットで運営権の売却をめざしている。しかし、当初予定されていた今年2月の入札は延期された。関西国際空港を取り巻く現状を探ってみる。

関西の桜シーズンが過ぎ去った4月下旬、関西国際空港の4階国際線チェックインカウンター周辺は、百貨店や電気量販店で購入した大きな荷物を紙袋からスーツケースに詰め替える作業に没頭する外国人観光客で溢れ返っていた。その消費行動が「爆買い」と称される中国人をはじめ、LCC・エアアジアの関空への就航により、タイやマレーシアなど東南アジアからの観光客]増加も目立つ。

近年、韓国の仁川空港や中国の上海浦東空港がアジアのハブ空港として優位に立ち、関空の国際競争力を脅かしてきたが、訪日ビザの緩和やLCCの台頭により、関空も息の根を吹き返してきた。そのLCCは国内のピーチ・アビエーションや中国の春秋航空が関空を拠点にするなど、機材の効率アップでコストを削減したいLCC各社にとって24時間離発着できる関空は最適な空港でもあるのだ。

現在、第二ターミナルはピーチを中心としたLCC専用となっているが、拡大しているLCCの需要を取り込むべく世界最高水準のLCCターミナルビルとして第三ターミナルを建設し、2016年下期にも供給開始をめざす。このように多くの旅行客で賑わう空港内の風景を見たり、設備投資の話を聞いたりする限りでは、空港としての収益アップは期待できるが、関空に待ち受ける大きな難題は、民営化に向けた運営権の売却だろう。

関空を建設した際にかかった巨額な費用は、今なお新関西国際空港会社の借金として1兆円以上残っている。これを帳消しにするべく、運営権の売却に踏み切るのだが、最低落札価格2.2兆円、運営期間45年という条件に、入札参加の見送りが相次ぎ、今年2月に予定されていた1次入札が延期された。約半世紀となる45年もの長期間の航空需要を的確に予測して、長期の投資に踏み出すのはどんな企業にとっても高いハードルであろう。延期された入札は次回5月に予定され、オリックス <8591> がフランス大手の空港運営会社バンシ・エアポートとの連合で入札する方針との報道も出ているが、どうなるだろうか。

足元の旅客者数が順調に推移する中、運営権の引受先の登場という吉報が届くか、しばらくは関空の動向から目が離せない。(ZUU online 編集部)

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