牛肉
(写真=Thinkstock/Getty Images)

日本の国民食のひとつとも呼ばれる牛丼の値上げが相次ぎ、早々に価格を引き上げた松屋 <9887> 、吉野家 <9861> に続き、最後の砦であったすき家(ゼンショー <7550> も4月15日から値上げに踏み切った。

その理由としては、人件費の高騰や、電気代の上昇などに加え、牛肉価格の上昇が挙げられる。今回は、牛肉価格を中心に、外食産業の今後を探っていきたいと思う。


干ばつと円安によるダブルパンチ

まず、牛肉価格(特に米国産)について、2013年バラ肉の価格が1キログラム当たり500円程度で推移していたが、2014年に入ると急上昇し、昨年後半には1000円を越えた。原因は、米国で発生した干ばつの影響もあるが、円安の影響が大きい。ドル円相場は、アベノミクスとその政策(三本の矢)のひとつである、日銀の大規模な量的金融緩和によって、2012年に1ドル=80円程度から120円程度まで円安に進んだ。

つまり、干ばつで穀物価格が上昇し、その穀物を飼料とする牛の価格も上昇していたところに、円安が重なったことで、牛肉価格高騰が発生したのである。

では、今後も、牛肉価格の高騰は続くのだろうか。米国産バラ肉の価格は今年に入りやや下落傾向となっているものの、ドル円相場の円安は定着しているため、2013年の水準への下落は期待できない。そして、日銀の金融緩和スタンスは変わらず、安倍内閣の財政再建の遅れから、日本国債の格付けが引き下げられるなど、円安要因が揃っていることを考えれば、更なる価格上昇の可能性もある。


関税引き下げで豪州牛は買いやすく

次に米国産以外の牛肉の動向であるが、豪州産牛肉については、日本とオーストラリアが1月に経済連携協定(EPA)を発行したことで、牛肉関税が段階的に見直される。まず、冷蔵肉が38.5%から32.5%に、冷凍肉が30.5%にそれぞれ引き下げられる(冷蔵肉は15年目に23.5%、冷凍肉は18年目に19.5%になる)。

オーストラリア準備銀行(中央銀行)は政策金利を過去最低の水準(2.25%)に引き下げており、豪ドル円相場はドル円と比較すれば、過度な円安トレンドとはなっておらず、豪州産牛肉を利用している外食チェーンに恩恵があると思われた。

しかし、モスバーガーを展開しているモスフードサービス <8153> は、5月19日から全商品の約9割を対象に値上げを行うことことを明らかにしている。同社では、豪州やNZ産の牛肉も使っているものの、国産肉を利用したとびきりハンバーグサンドシリーズや、契約農家から仕入れた有機野菜など、高付加価値商品を投入することで業績が回復しているためだ。


ミツウロコがハンバーガーチェーンに殴り込み

ファーストフード業界のトップランナーのマクドナルド <2702> は、期限切れの鶏肉問題と異物混入事件で業績不振に陥っている。さらに追い打ちをかけるように、2015年秋には、液化石油ガス(LPG)大手のミツウロコ <8131> がアメリカのプレミアムバーガー専門店の「カールスジュニア」を出店すると発表している。

さらに、2016年には、ニューヨーク発のハンバーガーショップ「シェイク・シャック」が上陸する予定など、ハンバーガーチェーン戦国時代の幕開けと言っても良い様相である。材料価格の高騰を乗り切り、この激しい競争を勝ち抜くのは、どこのチェーンになるのだろうか。(ZUU online 編集部)

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