買収後2、3年は必要?レノボに見るMA成功の秘訣-620x330

2014年の日本企業による海外企業へのM&A(合併・買収)件数が、過去最多になる見通しになった。金額も前年を上回るのは確実で、サントリーHDのビーム社買収や第一生命保険のプロテクティブ買収、大塚製薬のアバニア社買収など、米企業買収の大型案件が目立った。円安が急激に進んだ11月も堅調さは続いており、企業は為替相場の状況よりも、海外市場の成長性を重視しているようだ。

日本企業関連のM&A総数を見ても、1~11月で2068件と、すでに前年を上回っており、6年ぶりの高水準となる見通しだ。

ここでは、増加する日本企業によるM&Aを成功に導くために重要なことについて見ていく。


積極的M&Aを阻む日本市場の非オープン性

M&Aアドバイザリー会社レコフの集計によると、事業譲渡や出資を含む日本企業による海外M&A件数は1~11月で489件となり、過去最高だった2012年の515件を超える勢いだ。11月までの地域別の内訳は、アジア地域が過去最高の208件、北米が136件、欧州が104件など。金額は1~11月の合計で5兆394億円。前年は5兆2820億円だったが、12月2日に大塚製薬が35億3,900万ドル(約4,270億円)で米バイオベンチャーを買収すると発表しており、この案件を加えると前年を超えることになる。

人口減少による市場規模縮小に直面している日本企業にとって、外国企業の買収は残された数少ない成長シナリオのひとつである。

これまで日本企業は外国企業の買収には積極的とはいえず、日本からの対外直接投資の多くは、生産設備の国外移転にともなうもので、純粋な企業買収ではなかった。しかし生産設備の海外移転が一段落した今、外国企業の積極的な買収は、悪化しつつある日本の経常収支改善に寄与するとの期待が高まっている。

だが安定した国内市場に慣れきった保守的な日本企業が、ソフトバンクやサントリーのような積極的な海外戦略に打って出るのかは不透明だ。こうした及び腰の理由は、外国への直接投資に比べて、外国から日本への直接投資の受け入れが進んでいないからである。

外国への投資拡大と、外国からの投資受け入れは一見すると無関係に見えるが、外国への投資が積極的な国は、市場がオープンであることが多い。これに対し、日本の市場は必ずしもオープンでとはいえない。