新規株式公開(IPO)の意向を持つ企業を対象にした帝国データバンクの調査で、「東証マザーズ」を予定する企業の回答が51%となり、初めて半数を超えて最多となった。IPOの予定時期では、「今後5年以内」が42.3%を占めた。

同アンケート調査は今回で18回目。同社がIPOの意向を確認した企業やベンチャーキャピタルからの出資を確認した企業を対象に調査。1309社から回答があり、IPO意向があると回答したのは359社だった。調査期間は今年3月6日〜3月19日。

IPO の意向が「ある」と回答した企業のうち、「東証マザーズ」を予定する企業は183社で51.0%を占め、トップとなった。「東証 JASDAQスタンダード」が20.9%(75社)で続いた。「東証マザーズ」の選択率は調査開始以来、初めて半数を超えた。帝国データバンクは「『東証 1 部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの市場』との認識がIPO検討企業に浸透した結果」と分析している。

また、「東証 JASDAQ スタンダード」を含めて新興市場の選択率が7割強を占めていることから、IPO検討企業のなかには、中長期的な成長シナリオで将来的な本則市場への変更を視野に入れ、まず新興市場を予定している企業は多いと考えられるという。

そのほか、IPOの意向がある企業を業種別にみると「サービス業」が全体の51.5%と最多で、中でも「情報サービス業」が多かった。地域別では「東京都」の割合が全体の44.8%を占めた。

IPOの目的では「知名度や信用度の向上」が72.4%で最も多かった。次いで回答が多かった「優秀な人材の確保」は66.3%で前年比14.9ポイントの大幅増。企業が人材面での強化を重視している傾向が見られた。

IPOの予定時期では「今後5年以内」が42.3%を占めた。その中では2017年にIPOを予定する企業が同12.3%(44社)で、最も多かった。

また、IPOの検討にあたり特に強化すべき点については、「コンプライアンス、内部監査体制」と回答した企業が最も多く、202社で全体の56.3%を占めた。次いで「幹部人材の育成」「IPO準備チームの編成」が多かった。(ZUU online 編集部)

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