ブランド
(写真=Thinkstock/Getty Images)

近年、海外へ進出する企業は珍しいものではなくなった。海外に直接進出しなくとも、販売先や仕入先が海外企業といったことは多い。同僚や上司・部下が外国人というケースも増えている。国内市場だけなく、海外市場を相手にグローバルにビジネスを展開しようと考えている事業者も多いことだろう。そんなグローバルレベルの戦いに不可欠なのが「ブランド戦略」だ。


グローバル競争に不可欠な「ブランド戦略」

海外で事業を展開する際、自社ブランドの知名度を高めることで事業が早期に軌道に乗りやすくなる。海外製品を購入する場合、よく知らない会社のものよりも、少なくとも聞いたことがある会社のものを手に取るだろう。

ただ知っている会社よりも、ブランドイメージが高い方を選びがちだ。昔から現地に根付いた企業であればいいのだが、新しく参入しようとする場合は、特に「ブランド戦略」が重要となる。

そもそもブランドとは、消費者が持つ会社へのイメージの総体である。エルメスであれば「ラグジュアリー」、ユニクロであれば「シンプル」といったものだ。このようなイメージは製品やサービスの使用経験、広告宣伝等のプロモーション、店舗や口コミといったものを通じて時間をかけて形成されていく。

また、一度イメージが形成されると模倣されにくくなるメリットもある。ブランドを浸透させることで製品やサービスが受け入れられやすくなり、海外でのビジネスもスムーズに進む。


イノベーションにも必須なブランド力

イノベーション(革新)は黙っていて生じるものではない。自ら起こす必要があるのだ。そのイノベーションのきっかけとして、ブランドの力を借りるのも手だ。

愛媛県の今治で作られる「今治タオル」がいい例だ。120年の歴史があり、吸水性が良く、高い品質で知られる。タオルの産地として地域でブランディングに取り組んだ。

その際、ブランド作りで有名な佐藤可士和氏の力を借り、あまり見向きもされず粗品として渡されることが多い「白地のタオル」に着目し、素材の良さをアピールするブランディングを行い、成功を収めている。イノベーションを意図的に起こすために、ブランドの力をうまく利用した例といえよう。


世界と戦う日立のグローバルブランド戦略

コーポレートブランディングを積極的に進める日立は、グループのウェブサイトをブランディングの観点から見直した。国内外、46ヵ国、28言語、950社のウェブサイトをリニューアル。ウェブサイトのリニューアルとしては膨大な規模となった。各国にまたがるグローバルな事業展開を前提とした場合、反対に細部まで厳しくルールづけをしてしまうと自由度が減少し、各社ごとの個性が弱くなってしまう。

任せるべき点はそれぞれの国で任せ、これだけは厳守して欲しいという「核となるブランド」の構築に力を入れる必要がある。そこで、厳守すべき「ガイドライン」の作成に注力したのだ。

この結果、ブランドが引き締まり、グループ会社でも自由度を生かせ、日立グループ全体として良いシナジーが生じている。


グローバル企業のブランド教育

実際にグローバルレベルで成功している企業はどのようなブランド戦略を行っているのだろうか。

宅配で有名なFedEx。今では世界中でなくてはならない存在だ。紫とオレンジのロゴは安心でもある。FedExではブランドの源泉を「従業員が集荷や配送を行う際の勤務態度、顧客と街中で接する際の行動等、顧客が体験するすべてがFedExのブランドを作りあげる」と考えている。そのため、社員一人ひとり自身がブランドを体現していることを認識してもらうため、従業員にブランド教育を実施している。

また、ブランドイメージに一貫性を持たせるため、「ブランドガイドライン」を世界中の社員の誰もが同じものを常に参照できるようウェブサイト上の一か所で参照できるようにしており、判断に迷いが生じた際はこれを参照するよう徹底している。


ブランド構築は一朝一夕ではできない

ブランドというものは一度構築してしまえば終わるものではない。ブランドが輝き続けるためには大小を問わず常にイノベーションが必須となる。今一度、自社のブランド力を見直してはいかがだろうか。(ZUU online 編集部)

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