クラウド普及を後押しした「速度」「仮想化」「デバイス」

この背景には、大きく3つの理由があるのかなと思っています。一つ目は、通信速度の飛躍的な改善。御存知の通りインターネットのスピード、日本はかなりハイスピードで、各国と比べてもですね、ハイスピードな状況になっておりまして、非常に恵まれた環境にあります。サーバーの仮想化技術ですね、こちらがすごく進んでいて、昔とのコスト感で言うと1/10とか1/20くらいのコストでサーバーを使うことができています。最後はスマホ、タブレットなどのデバイスの進化。これはみなさん実感されていて、たぶんスマートフォンと自分の時間どれくらい使っているんだろうというと、結構恐ろしい時間スマートフォンを使われていると思うんですけども。このデバイスの圧倒的な進化というのが背景にあります。

実際に世界のクラウドサービスの市場を見ますと、年率で24%という圧倒的なスピードで成長しています。特にクラウドのサービスって3つに分類でき、パース(PaaS)、イアース(IaaS)、サース(SaaS)と言われるんですけれども。サースというのは「ソフトウェアアズアサービス(Software as a Service)」ということで、年率33%で成長しています。日本では今、このくらいのスピードで成長しているのは、まさに高齢化の分野であるとか、そういうマクロ経済的に大きく動いている分野ですけれども、それがクラウドの世界で起きているという形になっています。

ただ、クラウドサービスの国内での普及については、日本ではまだまだ普及していないところが現状です。堀江さんが基調講演で指摘されていたセキュリティなどの、導入しきれないというような組織の問題もあります。日本だと23%くらいですね。アメリカですと60%近いユーザーが導入していますが、クラウドサービスの普及は今後明らかに進んでいくので、大きなビジネスチャンスかなというふうに考えられるかと思います。