nanacoを軸に展開するセブン&アイグループ

イトーヨーカドーはセブンイレブンで広範に普及しているnanacoで買い物をしても、セブンカードプラスで買い物をしても、nanacoポイントが貯まる仕組みをスタートさせている。イトーヨーカドーネットスーパーやセブンネットショッピングといった、同社のECサイトにおける購買時でも同様にnanacoポイントがつくことから、このポイントを軸にしながらリアルとオンラインの店舗をつなぐ役割を果たし始めている。


WAONポイントでつながるイオングループ

一方イオンでも、既存のポイントプログラムの統合に乗り出している。これまでイオンではWAONで購入した際に付与されるWAONポイント、イオンカードを利用して物品やサービス購入をした時に付与されるときめきポイント、さらにイオンネットスーパーを利用した場合にはネットWAONポイントが貯まる仕組みがそれぞれ設けられていた。しかし、オムニチャネル化をすすめるために、すべてWAONポイントに交換してひとつにまとめるべく、移行している。


スーパーポイントの統合力で突出する楽天

ポイントプロモーションできわめて有利な立場にあるのが楽天だ。ネット主体ではあるものの、他社に比べてポイントが獲得できるビジネスシーンが多く用意されており、しかもすべてが楽天スーパーポイント集約する仕組みが既に確立しており、かなりの優位性をもつ。極端な話、購買によるポイントを銀行の振り込み手数料にまで利用することができる統合力は、単にポイントをひとつに集約しただけの他社とは異なる部分をもっているといえる。またRポイントカードの登場により、リアルの店舗でもスーパーポイントを消費できるようになり、一段とオムニチャネル化が進んでいる。


ポイントプログラムを超える新たな取り組みにも期待

ただ、オムニチャネル戦略はポイントプログラムだけが主体ではなく、あくまで顧客接点をシームレスに繋げることこそがその戦略の核となるため、さらに多角的な展開が予想される。業態を超えたアライアンスが実現することも想定されるため、今後リテール業界の勢力図に大きな変化が起きることも十分に考えられるだろう。

顧客接点の拡大という視点で見る場合、より多くのリアルな顧客接点をもつ企業はさらにその強みを発揮することが可能となり、デマンド主体で新たなバリューチェーンを構築できる企業が優位な存在となることが予想される。こうした視点での戦いは、今後さらにヒートアップしていくことになりそうだ。

(ZUU online 編集部)

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