コンビニ最大手セブンイレブンの快進撃が止まらない。2014年4月の消費増税後は、コンビニも苦戦を強いられる可能性を指摘する専門家が多かったが、セブンイレブンだけは他のコンビニとはまったく違い、前年比プラスを継続させている。
さらに、競合他社との収益力の差は格段に開いてきており、昨年の1店舗あたりの平均売上高は66万4,000円と、2番手となるローソンよりも、12万円以上も高い数字を記録した。こうした現場の売上げの違いが、結果として営業利益の数値にも表れることとなり、セブンイレブンはローソンの3.5倍の数値をマークしている。

特に、PB(プライベートブランド)のマーケティングでは、競合コンビニに大きく差をつける結果となった。

低価格PB商品を展開するイオンの台頭により、ローソンは低価格戦略を打ち出した「ローソン100」の撤退を余儀なくされた 。一方で、セブンイレブンは確実に個別の店の売り上げに、PBマーケティングの成果を示現させていることがわかる。以前はどこのコンビニもさして変わらないというイメージがあったが、今では店によってその内容が大きく異なることを、消費者自身が最もよく実感し認識している。結果としてセブンイレブンの集客と売上げは、他社を圧倒する存在になったのだ。

セブンイレブンの経営戦略 3つのポイント

セブン&アイ・ホールディングス <3382>の村田社長は、自社の経営戦略についてたびたび講演を行っているが、これからの経営の視点として具体的に3つのポイントを挙げている。

まずは、高齢者が消費の主役となるということだ。高齢化は世帯数の増加につながり、消費者構成の中で、明らかに高齢者の比率が上昇することが予測される。これは将来的に現状のコンビニにおけるセルフサービス化という仕組みにも、影響を与える可能性を示唆している。

次に、商品についても新機軸のものが求められるとしている。自社で集めた情報に協力してくれるメーカーのテクノロジーを組み合わせることで、チームとしてPB商品を開発することに成功してきた。同社のPB商品開発は2007年からスタートしており、既に8年近い実績を誇っている。粗利益率目標は30%であり、店頭に行けばすぐわかるよう少量パックでの販売に尽力し、一定の成功を収めている。昨年の段階で年商8,000億規模にまで成長した。 PB商品の国内マーケットキャップが3兆円強であるから、かなりのシェアを獲得していることになる。さらに、今年のPB商品の売り上げ目標を1兆円としている。

そして3つ目のポイントとしてあげているのが、オムニ戦略である。グループのシナジー効果を強め、すでにコンビニよりも市場規模の大きくなったECビジネスとの補完共存を模索しているのだ。