過去と未来にしか興味がない!?

サービス業というのは差別化しにくい業界だ。ネオキャリアの場合は現在、基盤となっている国内での総合的な新卒・中途の採用支援、人材派遣など売上の70%を占める安定した分野がある。その上に医療や介護、ITの分野など専門領域への人材サービスと海外事業が乗っているイメージだ。その海外も基本的にフィリピンやベトナムなど東南アジアへ焦点をあてる。他社に比べると1年から3年前倒しで、可能性のありそうなマーケットを開拓することが最大の差別化だ。

「今儲かるところに事業を集中させるというよりは、将来儲かりそうなところに『張る』のがうまいのだと思います」

そのような先を読む目を活かすためにはキャッシュフローも重要だ。たとえ素晴らしい戦略やノウハウを持っていても具現化する資金力がないと、絵に描いた餅になる。同社では創業以来、着実に事業規模を拡大するとともに利益を自己資金として蓄財してきた。その余裕と確実な基盤が両輪となって他社も真似できない攻めの姿勢になり、将来に向けての構築ができる。ある意味ベンチャーの理想を地で行っているともいえよう。

「僕は『今』にはあまり興味がなくて、未来と過去にしか興味が持てないのです(笑い)」という西澤社長。2030年、50年後、100年後、社会がどのように変化しているか、日本の立場は? アメリカやヨーロッパ・アジアを含めて未来図をさまざまな人がそれぞれの考えで主張している。だが答えはない。ブログを読むとわかるようにかなりの読書家である同氏は、多くの文献に基づいて、自分なりに現状を見つめ、自分なりの将来を予測して答えを固め、そこから『今』どうするかを考えて実践している。中国ではなく東南アジアを中心にした海外事業展開も、そうした思考からはじき出された結論だ。

「結局は自分が勉強してきたことの蓄積でしかない。たとえば歴史は嘘はつかないですよね。今までに起こったことを見ていれば、次はどのように変わっていくのかは概ね予想がつきます。感覚というよりは集めた情報の量によるアウトプット、それを集めて自分の感性で判断する。〝感性=情報の蓄積〟だと思っています、感性で未来を決めているといった方がわかりやすいですね」

その思いを反映し新たにブランドステートメントとして『ともにえがく、みらいを。』を掲げた。未来を創り上げていく、成長し続けていく。その姿勢こそが新世代事業者としての真骨頂なのかもしれない。

(ZUU online 編集部)

【関連記事】
http://biglife21.com/society/6417/">日本は世界に冠たる豪雪国!厄介者の雪を21世紀の資源に変えよ!
かに道楽元副社長に聞く「人が辞めない」経営
株式会社ネオキャリア ‐ 新世代事業者は「感性=情報の蓄積」で、人材業界を牽引する
土森俊秀弁護士 ‐ ブラック企業と言われないためには……
ブラック企業と噂の秋山鉄工の地元の評判と秋山氏インタビュー