アメリカ動画配信の大手であるネットフリックス(Netflix)が今年の秋、日本に上陸することが明らかになった。同社が1月末に本国アメリカで掲げたグローバル戦略によると、今後2年間で200カ国へのサービス展開を目標としており、その戦略の一環として、日本への進出が発表された。


レンタルDVDから動画配信への移行で成功

動画配信に興味を持つ方ならば、既にその名称を一度は聞いたことがあるだろう。アメリカ本国では、多くの機器にバンドルされており、デファクトスタンダードとなる動画配信サービスである。

同社は1999年にDVDの郵送レンタルビジネスからスタートした。日本のTSUTAYA、DMMなどは、このビジネスモデルを踏襲している。2007年からはインターネット経由でパソコンへのストリーミングを開始。その後Wiiやプレイステーション、Xboxなどのゲーム機に対応。またAppleTVなどのセットトップボックスを経由して、既存のテレビで視聴できるようになり、近年では普及が著しいタブレット端末からも視聴可能となっている。

当初は無料ストリーミング配信が人気を博し、利用者が急増したが、2011年2月に月額8ドルからの有償モデルに切り替えたことで、ユーザー離れが加速した。しかし、パラマウントやMGM、ディズニーなどのコンテンツ調達に成功、ユーザー離れを食い止めた。その後大きく巻き返し、一般家庭に普及し大成功を収めることとなり、いよいよグローバル展開に打って出たというわけだ。


日本への参入戦略 視聴環境の整備にテレビメーカーが後押し

既に先行して日本に上陸したものの、日本テレビに買収されたHULUの価格と米国内でのNetflixの価格から想定すると、月額1000円を切るぐらいが国内導入価格として妥当と見られている。

また、日本展開における最も重要な参入戦略となるのが、ハードであるテレビとの連動だ。アメリカ同様、日本のテレビメーカーもネットフリックスとアライアンスを組んで、リモコンへの接続ボタン導入が進めば、利用者増加が大いに見込まれるだろう。既に、東芝が日本初のネットフリックス対応型テレビの発売を発表した。ソニーやパナソニックもこれに続くと見られている。