今後の対策は

急激な為替変動を理由にしょうがないと諦めてしまうのではなく、対応策を検討しておこう。すべての会社がとれる対策ではなく、多くの会社に当てはまるよう記載しているので自社が取れる対策かどうかという観点でみて欲しい。


短期的に取りやすい対策かどうかという視点で

まずは、「為替予約」の実施である。輸入企業の多くがすでに実施している対策だろうが、為替をあるレートで一定にしておくことで為替リスクはある程度抑えられる。

為替予約をすでに実施されている場合は、「想定レートの見直し」が有効だ。1ドル=100円~104円前後で為替予約をしている企業が多いはずだ。将来どのように為替が動くかを予測するかにかかってくる面が大きいが、円安を指をくわえてみているよりはいいだろう。できるところから対策を打っておきたい。

また、不測の事態に備えて、金融機関への融資の増額交渉を進めたい。為替予約がうまくいけばいいが、必ずしもそうとは限らない。融資額や融資枠を増額しておき、備えておこう。

合わせて自社のコストダウンも進めよう。ただし、コストダウンはすぐに限界に到達しているのであれば、商品販売価格への転嫁交渉も同時に進めたい。為替予約を行っている企業も多いため、為替の影響は通常3~6ヵ月程度遅れてくる。その意味でも、早めに価格転嫁交渉を進めるべきだ。

すぐには難しい対策だが、仕入先を見直すのも手だ。今の状況では海外から輸入するよりも国内から仕入れた方が実は割安になる場合も多い。ラインの見直しや品質の担保等、多くの面で検討が必要だが、為替の影響はなくなるため抜本的な対策となる。

今後も円安関連倒産は増えることが予想される。為替相場に右往左往するのではなく、できるところから対策を打っておきたい。

(ZUU online 編集部)

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