代表的な企業として、農業セクターでは2014年度に伊藤忠商事 <8001> との提携を発表したCPグループの旗艦企業CPフーズが上場しています。同社の売上規模は4281億バーツ(およそ1兆5839円)で、東南アジアの各国のスーパーに並ぶ巨大ブランドです。

金融では東京と大阪に支店を持つ、バンコク銀行などの商業銀行が上場しています。同行の総資産額は2兆7598億バーツ。(およそ10兆2122億円)。また資産規模5位で三菱東京UFJフィナンシャル・グループ <8306> が買収したアユタヤ銀行も上場しています。

不動産では王室系財閥の複合企業で石化・セメントのサイアム・セメントが存在感を示しています。同社の売上規模は4875億バーツ(およそ1兆8037億円)で積水化学工業 <4204> と住宅用部材の製造会社、住宅販売会社2社を設立しています。

また三菱地所 <8802> と合弁で住宅不動産・コンドミニアムの建設販売を手掛けている住宅不動産業界大手のAPタイランドも上場しています。

サービスセクターやIT・通信セクターでも、過去日本の高度経済成長時期に成長していった小売大手、飲料大手、携帯電話大手、ホテルなどが数多く上場をしています。

金融セクターの大手企業ではファンダメンタルズも良く、好循環で回っています。エネルギーセクターでは巨大な企業が多く、売上・利益は多いものの、2014年後半に石油価格の下落により株価が下落するということもありました。不動産セクター、サービスセクターも成長している企業が多く、今後も成長が期待されます。


アセアン証券取引所に関しては

アセアン証券取引所は、 全部で6つの国(シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナム)、7つ(※)の証券取引所から構成されています。2015年3月時点で中心的な運営を行なっている国は、タイ、マレーシア、シンガポールで、その他の国は状況を見守っています。

市場統合といっても単一市場に統合するのではなく、市場ルール・規制の統一化や連携などを進めているところです。より多くの投資家にアセアン証券取引所に加入する各国への投資機会を提供し、取引所相互の流動性を向上させるのが狙いです。※ベトナムが、ホーチミン証券取引所とハノイ証券取引所に分かれているため2証券取引所+5証券取引所で7つとなっている。