このアセアン証券取引所には各国からの大手企業の代表として30社が参加しています。代表的な企業としてタイ証券取引所からはバンコク銀行やタイ国営石油、CPフーズなどが組み入れられています。課題としては、投資の規模、事業運営の規模は異なっているため、30社のバランスが取れていないことです。

また、タイ証券取引所ではGMS証券取引所に関する情報提供の強化も進めています。GMSとはインドシナ半島に属する地域で、ラオス、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、(ミャンマーは今後参加予定)の4市場への教育・支援のため設立されました。タイ証券取引所は市場として40年以上の歴史があり、各国の若い市場に対しては支援のために各証券市場の情報提供、証券に携わる人材交流や職員の派遣などを実施しています。


今後10年先のタイ証券取引所の目標

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タイ証券取引所は、今後も新規上場の数を増やし、投資金額や外国からの投資が増大することを求めています。現在、タイ証券取引所の取引口座数は14年末時点で、100万件の証券口座があり、複数の証券会社でオンライン取引も可能です。

2015年には東京でタイ証券取引所に関する機関投資家向け説明会を実施する計画です。今後も日本人投資家に対して、タイ国内での投資を勧めるような案件、提案をおこなっていきたいと思います。

阿部俊之(あべ・としゆき)
ASEAN ジャパン コンサルティング株式会社代表取締役。タイ・アセアン市場調査のためのマーケティング情報サイト 『Asean Japan』 を運営。ASEAN諸国(シンガポール、タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシア)の上場企業概要レポートを作成・配布している。

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