「クラウド化が進み、メーカー・ベンダーは仕事が激減」 IT業界の今後とは

急速に普及が進む「クラウド」。現在は開発や構築のプロセスに人材や企業が集中しているIT業界だが、今後クラウド化が加速すれば、その部分の仕事が急激に減少する。出来合いのものを借りる形のクラウドを利用してしまえば、業者を使って設計や開発を行う必要がなくなるからだ。そうなれば、現在層の厚いメーカーやベンダーの多くが仕事にあぶれることになる。

同氏が、自分たちでは開発しない支援という立場のサービスで創業したのは、こうした流れを見越していたからでもある。IT業界で生き残るためには「サービス」の立場にシフトしていくしかないと考える同氏は、「マーケットの変化は2020年前後からかなり加速し、10年後には相当変わっていると思います」と語る。


「課題を見つけてから、動くか動かないか」が ビジネス創出のカギ

Sler企業での経験から、IT企業の課題を見出し、そこからビジネスを創出した同氏。IT業界に身を置く大勢の人間の中で、同氏がパイオニアとなりえた要因を尋ねると、「問題点に気付くこと自体は、他の人にもできます。重要なのは、そこから動くか動かないか」と語る。目の前の仕事を追いかけるのではなく、誰も手がけていないビジネス、今までにないビジネスを見つけようとする姿勢の重要性だ。変化を追い求める姿勢は、クリエイティブな業界といわれるIT業界であれば、なおさら必要だろう。

実は同氏は、前職でクライアントを抱えていたために、独立が理想よりも5年ほど遅れてしまった。それだけ多くのクライアントから信頼を得ていたことの表れだが、その分、いざ独立してからのスピード感は目を見張るものがある。


業界の発展のために、業界を変えたい

ITの無駄を省き、クライアントの経営パフォーマンスを上げる同社のサービス。

「こういうサービスが生まれなければ、IT業界は発展しない。この業界に十数年身を置いてそう痛感し、変えなければと思って起業しました。当社の存在が、業界を発展させる一助になれば」と語る同氏。「いま当社が行っているサービスはまったくのホワイトスペースです」と語る同社のビジネスには、まだまだ伸びる余地が広く残されている。同社のようなパイオニアが他のホワイトスペースにも登場すればIT業界全体の裾野が広がるが、逆にいえば、そうならなければメーカー・ベンダー主導の業界はクラウド化社会の前にシュリンクしていくほかない。

同氏は「当社が他のホワイトスペースでもビジネスを創出できるかどうかは、私の発想力次第。まだ見つけていませんが、見つければもちろんやりたいと思っています」と語る。

社名のスミス(Smith)は「Service Mining IT Holdings」の頭文字を取って名付けられ、『優れたIT技術と人間力を持ってお客様に有益なサービスを創出し、提供し続ける企業でありたい』との思いが込められている。六本木ヒルズの高層から、エージェント・スミスがIT産業を牽引する。 (記事提供:企業物語メディア Biglife21

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